「良質のドキュメンタリー」梅切らぬバカ マリン33さんの映画レビュー(感想・評価)
良質のドキュメンタリー
加賀まりこさん主演の新人監督作品。
当初上映館はもっと少なかったようですが、宣伝の甲斐あって増えたと加賀さんがテレビで話されてました。
ロングランになりそうだし、海外で評価されそうな佳作だと思いました。
自閉症スペクトラムについてあまり詳しくないけれど、特質?としての感覚過敏とか几帳面さは共感できました。
怖いのはわからないから、
正義の反対はまた別の正義、
地域住民とグループホームのやり取りからそんな言葉が浮かびました。
自分の子供、家、日常、動物
大切なのはみんな同じで守りたいからこそ声をあげる。
傷つけたくてわざとやっている訳ではないのに、ままならない現実があります。
それをそのまま誠実に映しているのでともすれば悲壮感漂いそうなのに、
そうならないのは加賀まりこさんの達観した明るさと塚地武雅さんのどこか憎めないキャラクターの成せる技。
あと音楽も軽やかで効果的でした。
77分と短く、他の方のレビューでもあったようにこれで終わり?と物足りない印象もあるかもしれません。
私は監督からの投げかけと受け止めました。この後のことを考えて想像したり、話し合ったりしてみて下さいと。
わかりやすい結末よりも余韻のあるエンディングでした☆
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