「ただ悲しいです…本当に悲しい…」機動戦士ガンダムSEED FREEDOM atukaさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ悲しいです…本当に悲しい…
SEED・DESTINYとリアルタイムで観てきました。
「ガンダム」を好きになる切っ掛けになった作品です。
序盤の出撃シーン大気圏突入の流れからの戦闘シーンは本当にワクワクしました。
CGを用いたMS戦は迫力満点で、SEEDを思い出すカットがいくつもあって最高でした。
中盤の流れからそれまでのワクワクと興奮が冷めていきました。
キャラクターたちがとにかく幼稚で、SEED・DESTINYと積み重ねてきた経験や想いは何だったのかと思うほどです…
特にシン・アスカです。
あれだけの経験をして、悲しみ苦しんできたシンが、あの経験が無かったかのようなキャラクターになっていて違和感しかありませんでした。世間ではキラの忠犬、あれが本来の可愛いシンとか言われていますが、当時リアルタイムでシンに一番感情移入して好きだった自分にとって本当に悲しかったです…
デュランダル議長の理念に賛同しレイと共に戦った事も、フリーダムキラーだの、ただ利用されてただの、アグネスに茶化されて終わり。
TV放送当時はキラと和解するオーブの慰霊碑のシーンは無く、後にスペシャルエディション自由の代償がTV放送された時にいろんな感情はありましたが、シンに対してようやく微かな救いがあったと思えました。
家族を失い、守りたかったステラや戦友のレイも失い、それでも前に進むためにオーブの慰霊碑に赴き、キラの手を取り一緒に戦うことを決めたシンの意志を見ることができたのが嬉しかったです。
シン…本当にそれでいいのか…お前が欲しかったのは本当にそんな力か…世界なのか…
後半のギャグ満載の戦闘シーンはMSの作画は最高でした。
フリーダム、ジャスティス、デスティニーの超迫力作画での戦闘シーンは拍手喝采です。
ただ、その良さを壊してしまうくらいギャグやエロなどの要素が自分には耐えられなかったです。
特にステラの扱いが本当に駄目でした…あの理屈ならフレイがキラを守るべきだったでしょ…私の想いがあなたを守るからって言ってたじゃん…
他の方も仰っている通りファンサービスのお祭り作品と思えば観れると思います。
真面目に向き合うこと自体が間違っていると思えば、楽しくSEEDのキャラクター達、そしてMSのかっこいいアニメーションが見れるのは間違いないと思います。
福田監督もお客さんの喜んだ顔が見たくて作ったと仰っているので、今回のFREEDOMは自分のようなファン層はターゲット外だったと納得することにしました。
それでも…福田監督に言いたいです…
これが本当にあなたの作りたかったSEEDなんですか…
子供の頃に繰り返し観てきた作品だからこそ、SEEDのクルーゼ隊長、DESTINYのデュランダル議長を否定し、それでも守りたい世界がある、明日がほしいと戦ってきたキラ達には、その答えを見せてほしかったです。
最後の仁王立ち全裸キスは比喩表現なのかもしれませんが、自分は納得できませんでした。
きっと納得とかそういう話じゃないんでしょうけど…素直に楽しめばいいのに本当にめんどくさいファンだと自分でも思います。
SEEDが好きだからこそ、ただ悲しいです。