「ロボットアクションの映像としては良いと思う」機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 福島健太さんの映画レビュー(感想・評価)
ロボットアクションの映像としては良いと思う
戦闘アクションは素晴らしいと思いました。
映像を楽しむのなら十分にアリです。
ただ、ドラマとしてどうかというと、それは賛否分かれると思います。
でも、テレビシリーズから20年も経っていることを考えると、視聴者もある程度の年齢のいい大人でしょうから、賛否分かれるというよりは否定の方が多いかなぁ。
地球だけじゃない、人工的な遺伝子操作で生み出されて優れた能力才能を持ったコーディネーターと、従来の自然な人間であるナチュラルと、全人類規模の大きな戦争や世界平和を主導するリーダーにしては、シンもキラも、今作で敵として登場した人たちも、みんな精神的に幼稚過ぎます。
一方でアスランは機体の性能が強さじゃないと言い、同じヒーロー側でシンはジャスティスだから負けたけどデスティニーなら負けないとか言うし、キラに至っては追い詰められて自分には武器がある、それはラクスの愛だって、どんなクサイセリフを言うのさ?
いや、そもそもテレビシリーズでもフレイが殺された父親の仇打ちにキラを利用しようとして近付いて、まんまと思惑に乗ったキラがフレイを恋人にしたような気になって、元々フレイの婚約者だった親友を傷付けたり、ラクスも元々アスランの許婚だったのにキラがいい関係になったり、ゲスっぽいドロドロした部分があったのは知っています。
だから、ガンダムSeedのシリーズ作品らしさだと言うのならそれはそれで納得するしかないんだけど、映画の作中でもキラが自分はラクスに裏切られたとか言ったり、その数十分後には愛がどうしたとかいうでしょう?
愛しているならそんな簡単に疑うんじゃないよ。
一貫性がないというか、とても世界を動かす大組織で部隊を率いる幹部には見えませんでした。
信念的なものがないというか、幼稚です。
その上、最終的には結局、ロボットの性能の高い方が勝つわけでしょう?
映像としてはロボットアニメの興奮するポイントは押さえているので良いと思います。
でも、ドラマとして見たときに、登場人物の程度が低く、とても世界を動かすリーダー達のお話に見えません。
確かに作中でわざわざ「機体の性能が〜」と過去作のオマージュのようなセリフを挟んでいたのにシンは自分が負けたのをジャスティスのせいにしてましたねww
個人的にはそういう小さな違和感みたいなのがあまりにも多すぎて、
終盤の戦闘を含む全体のお祭り感すら霞んでしまいました