「お馬様」ドリーム・ホース アニメ映画が主戦場さんの映画レビュー(感想・評価)
お馬様
馬が好きなので良い映画。
さすが人とともに走ることに特化した生き物。
馬は美しい。
映像から伝わる肌の質感、体温、鼓動。
眼福、眼福。
以下つらつらと。
めっちゃ歌う。
日本映画みたいにタイアップした曲を流すのではなく、登場人物が楽しそうに歌う。
それがとてもオシャレ。
特にエンドロール前のは作品自体が伏線となっていて素晴らしい。
主人公の動物愛を視聴者に伝えるためのギミックだった冒頭の飼い犬や飼い鴨が再登場しなかったのが残念。
馬以外の動物も大切にしているシーンが欲しかった。
共同馬主のレース前のワクワク感や怪我後の虚無感の演出が楽しい。
チョコばばあの気合いの入った服装。
靴下おやじのカラフルな新靴下。
旅費を馬券に突っ込む呑んだくれ。
クスッと笑えて観ていて幸せな気持ちになれる。
親父がアッサリ死んだ後にドリームアライアンスの新聞の切り抜きや幼い頃の写真が出てきて主人公は涙を流すけれど、だからって父親の対応が許される訳では無いと思う。
30年も会う度に、嫌味や悪罵を垂れ続けた事の免罪符にはならない。
不器用な人だったなんてのは言われた本人には関係無い事だよ。
売り物の雑誌を破って持って帰るのはどうかと。
海外の映画でまあまあ見掛けるシチュエーションなんだが、向こうでは日常的な事なのかな?
買えよ。
復帰後のレースでは手に汗握る興奮。
結果は解っているけれどゴール後には詰めていた息を大きく吐き出した。
馬主達との一体感を味わえる。
総評:
日本の競馬でも栗毛で会場から見えない所で怪我をした馬がいた。
彼はそのまま安楽死させられたけど。
あれ以来、競馬は辞めた。
見ることも知ることも。
日常的にちらほら馬名は耳に入るけど…。
そんな身に、この映画はある意味救いに感じた。
長生きしてねドリームアライアンス。
悲しき我が夢、最速の機能美。