「英国西部ウェールズの谷間の小さな村に暮らす主婦ジャン(トニ・コレッ...」ドリーム・ホース りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
英国西部ウェールズの谷間の小さな村に暮らす主婦ジャン(トニ・コレッ...
英国西部ウェールズの谷間の小さな村に暮らす主婦ジャン(トニ・コレット)。
年老いた両親の家にほど近いところに夫と暮らしている。
かつては、レース鳩や犬を飼育して賞を得たこともあるが、いまはスーパーマーケットの清掃とレジ打ち、夜はパブでのパート暮らしで、張り合いがない。
ある日、パブで元馬主の会計の話を耳にし、競走馬を育ててみたい、レースに出したいという夢を抱く。
とはいえ、競走馬については何ひとつしらない。
一から勉強し、浜辺で引き馬乗馬をやっている元競走馬の牝馬を手に入れ、米国種牡馬を値切って種付け。
一頭の牡馬が生まれるが、母馬は死亡・・・
といったところから始まる物語で、残された牡馬を競走馬にすべく、村人から資金を募って組合馬主となるというハナシ。
ほほぉ、そういうハナシなのね。
で、これが実話。
ならば、最後は大レースで勝つのだろうね、ということはおおよそ察しが付く。
でないと、映画にならないからね。
でまぁ、物語はおおよそそのとおりに進みます。
競走馬デビューは通常より遅く、4~6歳の障害競走馬向けの平地レースでそこでは4着。
バリヤー方式(ゴム状のものをスタートラインに張って、スタートの際に外すというもの)のスタートが珍しく、主役の馬ドリームアライアンスはあさっての方向を向いていたりする。
日本の競馬ではゲート式なのだが、英国の障害レースではバリヤー方式が多く、英国障害レースの最高峰グランドナショナルもバリヤー式だったように思います。
その後、勝ち星を挙げることは出来ないまでも2着3着と好走のドリームアライアンスは重賞レースに出走するのだが、そこで落馬事故を起こし、腱不全断裂を起こしてしまいます。
通常ならば廃馬(その場で安楽死処分)となるところだが、ジャンの説得で治療へと・・・
と、そこからは予想どおりの復活劇です。
映画はオーソドックスな勝利劇で心地よい感動を与えてくれます。
が、競馬ファンとしては、もう少しレースの舞台裏も観たかったなぁというのが正直なところ。
初戦後の矯正調教とか、手術後の予後調教とか、もっというとそもそもの障害練習とか、ね。
なので、ちょっと物足りなさが残りました。
<追記>
最近では、ギャンブルとしての競馬よりもスポーツとしての競馬が映画で取り上げることが多くなっており、喜ばしい限りです。
参考作品として同じ障害競走を描いた『チャンピオンズ』(こちらは騎手主体)、『シービスケット』『夢駆ける馬ドリーマー』『セクレタリアト/奇跡のサラブレッド』を挙げておきます。