「【”夢の同盟”ウェールズの寒村で無気力に暮らす人達が、あるきっかけで競走馬の馬主組合を結成し、馬の躍進により生きる喜びを取り戻していく姿を描いた作品。レースシーンの高揚感も堪らない作品である。】」ドリーム・ホース NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”夢の同盟”ウェールズの寒村で無気力に暮らす人達が、あるきっかけで競走馬の馬主組合を結成し、馬の躍進により生きる喜びを取り戻していく姿を描いた作品。レースシーンの高揚感も堪らない作品である。】
ー 2004年に三歳でデビューし、2012年に引退するまで30レースで活躍した、ドリームアライアンス号(夢の同盟)の実話の映画化だそうである。-
◆感想
・序盤の、且つては鳩レースやドッグレースで名を馳せていたジャン(トニ・コレット)と無気力な夫の覇気のない暮らし。ジャンはスーパーのレジ係、夜はバーテンダーの仕事でうんざりしていたが、バーの客で、且つては馬主だったハワードの話を小耳にし、競走馬飼育の夢を抱くシーン。
ー ハワードが、実は父親の叶えられなかった夢を叶えるために、馬主になりながらも、大借金で大変な経験をしていた事が、後半効いてくる構成も良い。-
・ジャンは貯金をはたき、血統を調べ、牝馬を購入し、種付けをし、村人から毎週10ポンドの出資を募り、馬主組合を結成。そして、見事に牝馬が生まれ・・。
ー トントン拍子に物事が進むが、実話なんだから流れに沿って観賞。精気の無かった村人たちの表情も段々と、明るくなってくる。ハワードも、元馬主の経験により、ジャンの良き右腕になっている。-
・牝馬に、ジャンの提案した”ドリームアライアンス”と名付け、腕のある調教師に預け、いざレース。で、いきなり4等賞。
ー この作品が、面白い要素の一つにレースシーンが寄与している事は間違いない。興奮するなあ。で、到頭優勝までしてしまう!-
・だが、あるレースで、”ドリームアライアンス”は腱に怪我を負ってしまう・・。
ー 馬主組合の中で、馬を手術するかどうかで揉めるシーンや、有名馬主から高額買取を持ち掛けれた時の、馬主たちの態度の違いが面白い。
だが、ジャンは”ドリームアライアンス”を売らないし、手術もきっちりとさせる。-
■この作品が、爽やかで心に響くのは、ジャン達が金儲けのためにレースをやっているのではなく、自分達の人生に、夢と誇りを取り戻すために、レースをしている所であろう。(一部、そうでない人もいるが。。)
・そして、復活した”ドリームアライアンス”は、ウェールズの中でも最も権威ある”ウェルシュナショナル”に出場を決める。
ー 競馬場に集まる”ドリームアライアンス”の馬主組合の人々の、誇らしげな顔。その中には、且つて大借金をして子供の学資金まで継ぎ込んだハワードの子供や、一度は離婚しかけた奥さんも正装している。-
■いよいよ”ウェルシュナショナル”のレースが始まる。いやあ、興奮したなあ・・。一番後ろから一気にまくる”ドリームアライアンス”の見事な走り。そして、見事に優勝!
(ちなみに、騎手のコース取りも良い。もっと、騎手を写してあげてよ!)
そして、優勝の余韻に浸るハワードの、感無量な表情・・。
<今作が面白いのは、淀んだ人生を送っていた村人たちが、一頭の馬の連帯馬主となり、その馬がレースで躍進する事で、彼らの生き方や表情もドンドン変わって行く姿の連動性であろう。
そして、それまで”個”だった村人たちの結束が高まっていく様も、観ていて楽しい。
勿論、クライマックスのレースシーンの興奮が、今作の価値を高めている事は、間違いないであろう。エンドロールもしっかり観て欲しい作品である。>
ウェールズの自然の風景のなか、悠々と疾走る馬が
其処にいました。
年配の方たちが一致団結して夢を切り拓いていく姿を見ることが出来ました。
エンディングの歌も自分のことのように嬉しく思いました。賞金をもらえたのは
ラッキーでした!
大事なモノの一部になれた気がしたと言う台詞が深く心に響きました。