「キャラの魅力が物語を壊す・・・」モンタナの目撃者 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラの魅力が物語を壊す・・・
組織の殺し屋に父親を殺された少年と、トラウマを抱える森林消防隊員の逃亡を描く物語。
アンジェリーナ・ジョリーが主演のアクション映画ですね。
アンジェリーナ・ジョリーといえば、「トゥーム・レイダー」を思い浮かべてしまいますが、本作はリアルなアクション映画に仕上がっています。
傷心を抱える消防隊員をジョリーが熱演。一人の女性が出来るギリギリの攻防を魅せてくれました。
敵キャラも良いですね。広大な森林の中でたった二人の殺し屋。事前に公式レビューを読んでいてそれが不安だったのですが、素晴らしいキャラ設定で不安は一掃されます。確かなプロの技術と冷酷さ、無駄に残虐にならないところも良いですし、雇い主との関係で苦悩する様子等も秀逸でした。後半までは、不足を感じることはありませんでした。
ただ、この映画の一番の魅力は、メディナ・センゴアが演じたアリソンなんでしょう。
銃を突きつけられた恐怖の表情、機転を利かせて危険を知らせ、スプレー式の火炎放射器で殺し屋を撃退し、馬を駆って追いかける。
ボスキャラとの一対一のシーンは本当に素晴らしかった。無駄を省いたリアルに見える銃撃戦。決着・・・と思われたところから、お互いの弾切れでもう一段上の緊迫感。
最後は、危険を顧みずに愛する人の元に駆け付けるオマケまでついて・・・
色々な映画を観てきましたけど、ここまで魅力的なキャラも珍しく感じてしまいます。
ただ・・・このキャラの魅力は、映画のバランスを壊しているようにも感じます。明らかに主役のジョリーを喰ってしまっていました。先に評価していた殺し屋二人も、アリソンの登場で、やはり手薄感を感じてしまいます。
アリソンが、主役と直接的な関係がないところもバランスが悪くなった原因だと思います。例えば、元親友で、三角関係で破綻した・・・とかなら、もう少しバランスは良くなったかもしれませんが・・・
関係性の薄いサブキャラが、主人公と別の場所で大活躍する展開は、戸惑いを強く感じてしまいました。
私的評価は普通にしました。