劇場公開日 2022年1月28日

「誰もがやり直せる優しい世界に必要な人間」前科者 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5誰もがやり直せる優しい世界に必要な人間

2024年3月20日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

有村架純さん演じる阿川佳代は、謎めいていて変わった人だが真面目で透明感があり頑固で可愛い。
便利屋経営者の斉藤みどり(石橋静河)、工藤 誠を弁護した宮口エマ(木村多江)、工藤兄弟の母を殺害した義父の遠山史雄(リリー・フランキー)らは出番が少ないが存在感があり、彼女たちが作品に深みを与えている。

「前科者に必要なのは保護司じゃない、佳代ちゃん、あんたみたいな人間だよ」と斉藤みどりに言われた時の阿川佳代の顔、警察に確保された実が自害した時に後ろの奥にいた阿川佳代の顔が見どころ。

【保護司の使命(保護司法の第1条)】
「保護司は、社会奉仕の精神をもつて、犯罪をした者の改善及び更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もつて地域社会の浄化をはかり、個人及び公共の福祉に寄与することを、その使命とする」

非常勤の国家公務員である保護司になったきっかけは、阿川佳代の中学時代の恋人、滝本真司(磯村勇斗)の父親が死んだからでもあり、書かれた問い「なぜ生きている」の答えでもある。
若くして保護司という仕事に人生を捧げる姿に感動する。

Don-chan