「一匹の牛に“人間の皮”を剥がされた1000人の獣」ジャッリカットゥ 牛の怒り 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)
一匹の牛に“人間の皮”を剥がされた1000人の獣
高橋ヨシキさんがYouTube番組の中でおススメしていて気になっていた作品をゲオで見つけたので早速レンタルしてきた。
正直、登場人物の顔の区別がつかず、最初から最後まで誰が誰か分からない状況の中、通常のセオリー無視の撮影と編集で何が何やらと混乱しているうちに、物語は収拾のつかない大騒動に発展。
クライマックスの群衆シーンは、まさに地獄絵図。
小さな村の肉屋から逃げた牛を追うというだけのシンプルなストーリーだし、化け物じみた大きさとか特別狂暴とかではなく、ごく普通の、むしろ痩せっぽちの牛一頭に翻弄され、やがて常識や倫理、建前と言う“人間の皮”を剥がされ欲望剥き出しの獣に戻っていく1000人の村人の姿に普遍的な人間の本質を見てしまう。
いや、そんな難しいことは置いておいても、2000人のエキストラが松明やライトを持ちながら暗い林の中を駆け回る絵面だけでも見る価値あり!
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