劇場公開日 2021年9月10日

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「小松菜奈の“素の美しさ”をとらえた宝石のような映画」ムーンライト・シャドウ 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小松菜奈の“素の美しさ”をとらえた宝石のような映画

2021年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

幸せ

萌える

意外にも、小松菜奈にとって長編映画単独初主演だそう。モデル出身の恵まれた容姿に、どこかはかなげな存在感、ポップなラブコメのヒロインからエッヂの効いた役まで幅広くこなす豊かな演技力により、2014年の「渇き。」以来コンスタントに年2~3本のペースで大作や話題作に起用されてきた。観客が惚れるくらい女優を美しく撮るのは(特に恋愛物では)常道だが、過去作での小松はメイクアップと照明によりきちんと造形された美として映画の中に存在していた印象がある。

だが「ムーンライト・シャドウ」は、何者でもない20代前半の女性が恋に落ちるもストーリーの半ばで恋人と死別してしまい憔悴する(そのためメイクもほとんどしなくなる)という役どころに加え、被写界深度を浅くして背景をぼかし被写体の顔をじっくり映す撮影スタイルも相まって、小松の素の美しさをとらえることに成功している。マレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督とタイ出身の撮影監督コン・パフラックによるアジアコンビが、吉本ばななによる日本発の物語と情景を外国人の感性で再構築することにより異化効果が生まれた点も、ファンタジックな要素を含む世界観に奏功していると感じた。

小松のこれまでの代表作に比べると、小品の味わいではあるが、それがまた心の片隅にいつまでも残るような愛おしさにつながっている。

高森 郁哉
マサヒロさんのコメント
2021年9月13日

追加のコメントです。
レビュアーさんのように映画を多角的に見れる方か、私のように小松菜奈ファン以外はちょっとキツイかな?と思いました。

マサヒロ
マサヒロさんのコメント
2021年9月12日

「映画は女優を魅力的に撮れればそれでOK」 (『映画大好きポンポさん』)というセリフに、私はすごく共感している。
だから、『小松菜奈の”素の美しさ”をとらえた宝石のような映画』なんてことになれば、そりゃあもう見に行くしかない。

マサヒロ
😎さんのコメント
2021年9月10日

小松菜奈が好きなだけで草

😎