ホテルアイリスのレビュー・感想・評価
全24件中、1~20件目を表示
奇異な作品
謎だらけの作品。
簡潔に言ってしまえば、主人公マリによる妄想が描かれているだけとも取れる。
マリの妄想は、寂れた小さな町の変化のない日常とその枠から逃れたい思いの表れ。マリの心の中にある孤独というイメージを感じる。
彼女が作り出すマリーという女性は、おそらく鏡に映るマリ。
裸で椅子に縛られるシーンは、母による彼女を縛り付けるような管理とそれを受け入れている自分自身を表現している。縛られることの最大の妄想であり性的欲求不満。
人にとって認識とは後付けの産物で、マリにとっては父が好きだったこととその父が殺されたこと、その犯人が母といつも一緒にダンスをしている男かもしれないこと、その父に性的虐待を受けていたこと。
このマリの歪んだ認識のようなものが彼女の妄想を作り出す。
翻訳家の男の正体は謎で、ホテルアイリスで商売女に暴力をふるったことと、尾行したこと、そしてある日浜辺で男の死体が見つかったこと以外すべてがマリの妄想だろう。
妄想を日記に書くことで暇な時間をつぶしているのがマリだ。
その背後にある要因のひとつが母への確執。父殺しの一端を担っていると信じている。
そしてもう一つ考えられるのが、
冒頭のラムネを飲むシーンと島に渡って入った家の中にあった日記。または小説。
そこに書かれていたホテルアイリスとその場所の描写や「マリー」という主人公がそこで体験する殺人事件の物語。
マリはマリーになりきり、小説の中の体験を妄想する。そこに父や男の身内などを加えながら自分なりの物語を妄想する。
最後のホテルにチェックインした母子を見て、その男の身内に仕立て上げて息子との性的接触を妄想した。
しかし、
「あなたは誰?」「私はあなた」「私は誰だ?」「私はあなただ」と繰り返すセリフは何を意味しているのだろう?
さらに「私が憎いか?」「あなたを愛しています」とはどう受け取ればいいのだろう?
それはマリ一人の人間の妄想だからかもしれないし、この作品が妄想だということを視聴者に伝える手段かもしれない。
マリの着るジーンズと黄色いサマーセーターは、現実のマリの世界を描いている。
冒頭のラムネ 島の空き家で見つけた本 浜辺で見つかった男の死体 母子のチェックイン
そして、彼女の妄想は続くのだ。
とても奇抜な作品だと思った。
微妙にキレイな娘(コ)ですね
永瀬正敏演じる無国籍映画。
オッサンが好きな流れになるのか!と期待するも
へへ、ギリギリそこへはいかんぞ
とブロックする。
そんなことよりこの娘(コ)の内面を考えてやってくれ
いや、もう少し表現してくれんとわかりまへんわ。
50点
1
京都シネマ 20220315
危険な恋、マリ,その男変態よ
台湾の海沿いにあるホテルアイリスの娘マリは島に暮らす翻訳家の男に惹かれて、彼の家に行くようになり、関係を持つ。でもいきなり裸にされて椅子に縛り付けられる。変態よ!二度と行っては行けません。でもマリは危険な男にさらに惹かれてしまう。
ある日、彼の義理の息子が死んでいて、自分も裸で縛られる。普通危険を感じるよね。ハサミを身体に這わされて「舌を出して」と要求される。ひぇ〜ハサミで舌を切らちゃう、出しちゃダメ〜と思ったら舌を吸っていた。やっぱりこの男変態じゃっ!
とにかく翻訳家が謎だらけ、娼婦を殺したのは確かだろうが、マリのパパを殺したのも彼なのか?彼の妻が死んだのはホントに事故だったのか、義理の息子の舌がないのはホントに病気だったのか疑問だらけ。
そんな不気味で変態な中年男、永瀬正敏はまさにハマり役。危険なのに、どこか魅力的な男がホントにハマっている。彼あっての映画だな。
マリの歪んだ精神構造
映画の後に、原作読了。
小説はやはり文字数の多さのお陰で、登場人物の心情が理解しやすかった。勿論小川洋子さんの作品なので、コチラが想像力を働かせつつ、推測していくのだが。翻って映画だと、マリの複雑な精神構造や欠落感が、もう一つ伝わって来なかった。
しかし、スクリーンの絵はとても綺麗で、海辺も島もアイリスも、原作の空気感を再現できていたとは思う。
昔から永瀬正敏のファンだが、この配役は違うかなぁ。あと一回り年配の俳優さんでも良かった。寛一郎、陸夏、他の俳優さんたちも好演。寛一郎は顔立ちも、ドンピシャ。常に怯えている心情表現も秀逸でした。
マリの自虐的な精神性は、どこからきたのか?救いはないのか?スッキリ後味の良い作品ではないが、非日常的な人間模様が興味深かった。
読解力がなく?
う~ん…。
全く理解が出来なかった…。
時系列と、現実と非現実の混在がバラバラで、全くついて行けず…。
美しい情景と言ってる方もいるようですが、それすら納得しづらく…。
原作が気になります。
原作が不可解なのか、監督の解釈(と映像化の実力?)が悪いのか…。
残念でした。
美しくエグい世界を描いています
原作未読で鑑賞です。ですが原作を読みたくなりました。どんな物語なんだろ?映画見て、どんな物語なんだろ?なんて失礼なお話なんですが、僕の力不足でテーマをよみとれなかったんですよね。小説の中の描写をそのまま映像化しただけなんじゃないかな?なーんておもっちゃったりして、、、いけませんね、他責は。ですが、もうちょいわかりやすくして欲しかったというか、ドラマとして面白み作って欲しかったかな?
過去の出来事が理由(だと思いますが)で、アブノーマルな行為に悦びと生を感じるようになった男女の、ほんの一瞬の心の安寧を描いた作品なのかな?そしてそれぞれの明日を描く。、、、かな?
映像は美しく、最小限の表現で描かれる倒錯の世界まで綺麗です。狭い村社会のなかで行われる背徳感や行き止まり感がなかなか良いですね。全体に漂う不思議な感覚。魅力的なんですよね。ただ、ストーリーの味付けもうちょい。主演の二人の背景や心情の深堀もたりないかなー?でも、嫌いじゃない作品でした。
余談ですが、母親役に菜菜菜さん出演。「夕方のおともだち」を観てたから、なんだかSMが脳内リンクしちゃって(笑)
こういう経験をすると、人間はこういう行動にでる、、、みたいな心理学に明るいともっと楽しめたかな?
「アイリス」の指す意味が色々に取れそう。
今年70本目(合計343本目/今月(2022年3月度)12本目)。
以前から見たかったので、頑張って分単位で移動。
元の小説を映画化したということなので、その意味では「あることないこと書けない」ので、趣旨的に理解が難しいところもそう考えるしかない状況です。
「アイリス」に関しては色々な見方ができます。映画内でも触れられている通り、虹の女神のアイリス、花としてのアイリスなどです。また、花としてのアイリスには「情熱」という花言葉もあります(この映画、一部に「(女性から誘ってくる)大人の営み」が出ますが…)。
映画内では、「先に花の話→女神の話」という扱いですが、色々に取れそうです。このタイトル通りの「ホテルアイリス」の看板のネオンは、紫だからです(アイリスは、色々な色を咲かせますが、一般的には紫のイメージ)。
※ 虹の女神の「アイリス」が花の「アイリス」に転化したのは、花のアイリスが色々な色の花を咲かせることによります。
※ 「ヴァイオレット~」のほうのアイリスさんのほうは、花言葉は「メッセージ」。
上記通り、一部に不穏当な描写もあることはあるのですが、もともとR15ですし、もとの小説にあることないこと足すと問題になりますので、そこは映倫の指定通りかなというところです。そこまで気にするところではないです。また、台湾との合作という事情がら、日本から見ても文化などの推測が付くという部分もあるので、「小説をまだ読んでいない」という方でも「文化の類推」が効くという観点ではかなり理解はしやすいです(もっとも、純然たる小説を映画化したのだし、R15という事情もあるので、わかりにくい点も確かにある)。
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(減点0.2) 上記にも書いた通り、「アイリス」には2つ(以上)の意味があります。ただ、字幕で出るのは「菖蒲の花の…」という扱いになっています。
たしかにショウブやカキツバタも、分類上はアイリスの扱い(アヤメ属)ですが、日本では一般的にはこれらと、いわゆるアイリスとは明確に花屋等では区別されるのではないか…と思えます。
この点から混乱させてくるので(なお、一般的にいう「アイリス」は映画内には出ない)、結構序盤からきついです。お花屋さんでもないとここは難しいかな…と思えます。
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寂れても美しい風景と歪んだ性癖
金門島でロケしたらしい寂れていても美しい風景は見ていて悪くない。エロスを期待して見ても、男の性癖は見ていて興奮すると言うより寒々とする種類なので、その意味では純文学っぽい。原作は読んでいないが、文字で読んだ方が想像力を掻き立てられるのではないかと思う。ひどく感心はしないが、暇つぶしや気分転換に見るのには悪くないのではないか。見ても気は晴れないけれども、明るくてバカな映画を観ると腹が立つ気分の日も人生にはあるから。
HOTEL IRIS
小川洋子の小説は「博士の好きな数式」と「薬指の標本」を買って読んだことがあります。この映画はなんだかよくわかりませんでした。アイリスはギリシャ神話の虹の女神とか。英語の iris は瞳(虹彩)ですね。話の内容とギリシャ神話は何か関連するの?
とにかく眠かったです。内容のみならず、バイオリンもアコーディオンもギターも眠くなる単調なBGM。40年前の映画(ATG系)みたいでした。
変態おじさんは永瀬正敏の専売特許化していますね。奥田瑛二はもう引退?板尾創路はもう見た目からヤバいので、芥川賞作家の作品は似合わないしね~
台湾の女優の陸夏さん。小松菜奈ぽかったり、川口春奈ぽかったり見えて、よかったです。
映画代で陸夏さんの写真集買って帰った方がよかったかもしれないな~って思ってしまいましたよ。
菜葉菜さんはヘブンズストーリー以来、好きな女優さんですが、今回は陸夏さんの母親役。え~っ?でした。
永瀬正敏のセリフは普段は紳士的で丁寧なのに、縛ってからは豹変。縛らないと、自分を出せないの?内弁慶?って思ってしまいます。寛一郎はきれいでしたが、いい役とは言えず。舌は永瀬正敏に切られたとしか思えませんでした。
小川洋子さんはこの映画をどう思っているのでしょうか?
映画にする必要性を全く感じませんでした。
性癖の相性ってすごく大切‼︎
小川洋子さんの小説「ホテル・アイリス」を映画化したとのこと。
ミステリアスなムードも主人公のマリを演じた陸夏(ルシア)も好きだったが。
永瀬正敏さんが演じた縛る男の性癖に馴染めなかったのが残念。そっちの相性ってすごく大切‼︎
なにこれ?なにこれ?の連続。原作読まないと理解不能では。
日本と台湾の合作。予告編を観て、日本語と台湾語が混ざってたので、どんな構成なのか楽しみで着席。
永瀬正敏は分かってたけど、ヒロインのマリは雰囲気から小松菜奈だと思ってた。あら、台湾の役者さんだったのね。
母親の経営するホテルで働くマリは、嵐の夜にちょっとした事件で知り合った翻訳家のオヤジとエロい関係になる。それも縛り系??
エロを仕掛けてくるオヤジがとても不自然、マリは裸なのに自分はスーツのまま?あ、これ彼女の妄想なのかな。でも写真撮られたりしてるし、船に乗ったりしてるから、存在してる?
とにかく登場人物が存在してるのか、幽霊なのか、想像してるだけなのか、ずっと分からない。時間軸も複雑でモヤモヤ。
もう少し、説明して欲しかった。
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