「これぞ待ち望んでいた素晴らしい到達地」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ待ち望んでいた素晴らしい到達地
個々に傷や孤独や過ちを抱えながら、共通の目的を前に寄せ集めの結束力をいかんなく発揮してきた彼らだが、今回はこれまでのどの難題とも違う。チームの頭脳ともいうべきロケットの知られざる過去を描きつつ、瀕死に陥った彼を救うため、仲間たちが危険を顧みず率先して敵の懐へと飛び込んでいく。中盤はいつもながらの狂騒やドタバタで大いに楽しませつつ、そこに「異形の者たちの悲哀」が挟み込まれ、果てには、キャラの誰もが初登場時からはかけ離れたレベルで仲間を想い・・・その変貌と成長ぶりには激しく胸打たれるばかり。一時は解雇されたガン監督も含めて、誰もが完璧ではなく心のどこかに傷跡を持つ。でも頼れる仲間がいれば、そして他者のために成し遂げたいという意志があれば、きっと誰もが這い上がれる。この震えるような高揚へ導かれていくダイナミズムが最高に素敵だし、辿り着く境地とそこでかかる魂を揺らすナンバーに涙が止まらなくなった。
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