「超重要タイミングで流れるのに見過ごされがちなリプレイスメンツの話。」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
超重要タイミングで流れるのに見過ごされがちなリプレイスメンツの話。
ガーディアンズといえば一作目から選曲の妙が絶賛されていて、(少なくともジェームズ・ガンが手掛ける三部作の)最終作となるVOLUME3もミックステープ的な劇中曲リストから作品を読み解くレビューが少なくない。しかしすごく大切な場面で流れる大好きな曲がだいたいスルーされているように思うので、ここであえて書いておきたい。物語が一旦終了し、キャスト・スタッフのクレジットが流れるところでかかっている曲、リプレイスメンツの「I Will Dare」のことである。
ガーディアンズのオリジナルメンバーは一旦解散し、惑星ノーウェアに残った者たちが最後に踊っている時の曲はフローレンス・アンド・ザ・マシーンで、クレジットに入るところでかかる軽快なイントロの曲が「I Will Dare」だ。ポストクレジットのロケットたちのロック談義のシーンでロケットが一作目冒頭でクィルが踊っていたあの曲を流し始めるので、ちょうど印象深い曲の間に挟まり、あまり語れられないもの納得はできる。
しかし、はみ出し者、ピュアなひねくれ者たちを代弁するバンドとして、1980年代に主にインディーズシーンで人気を博したリプレイスメンツほど適したバンドはない。ああ、ジェームズ・ガンもやっぱりファンだったのか!と首がもげるくらい頷いてしまう選曲である。
「I Will Dare」は、やたらと誘いに乗り気な男の歌で、歌詞をざっくりまとめると「いつでもどこでもいいよ、会おうよ、電話してよ、木曜? 水曜のがいいね、それとも今夜?君がその気ならやぶさかじゃないよ!」とほとんどずっと繰り返している歌詞である。そこに照れや諧謔が加わって、どこまで本気かわからないけど、でもウザいくらい「会おうよ!いつ?いま?」と押してくる。この無闇矢鱈な仲間を求める勢いが、すごくこの物語の締めくくりとしてグッときたので、もしご興味あれば、サントラの話題でも埋もれがちな「I Will Dare」をぜひ聴いてみてください!