「これっくらいがちょうどいい」マーベルズ がばちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
これっくらいがちょうどいい
まず当方のマーベル経験値を述べると、映画作品は『アイアンマン』から全て劇場で欠かさず見ているけど、アメコミ原作は全く未読、配信ドラマ系も全スルー、ネットなどでの深掘りにも興味なし。そんな感じ。
今作への事前期待値は、頼りにしている批評サイトが「女性向けのプ⚫︎キュア的作品(意訳誤訳ご容赦)」などと低評価だったので、まああんまり期待せずに見に行きました。
いや、案外面白かったです。
『プ⚫︎キュア』を見た事ないから比較はできないけど、女性的な作風は逆に華やかで良かったし、インフレに過ぎる超絶パワーも上手く散らしてあったし、展開は勿論ワンパターンだったけど、テンポが良かったのであまり気にならなくて。知らないバンドのライブでバラードばかりやられると乳酸が溜まって辛いけど、エイトビート中心だとなんだかゆらゆら楽しく乗り切れる、あの感じ。(どの感じ)
登場キャラや設定に、おそらく配信版を見ていないと不明瞭な点が幾つか見られたけど、その辺りは妄想や勝手な想像による補完でなんとかなるレベル。
子供の頃離島に住んでいた事があり、台風などで週刊少年ジャンプが1号飛んだりはよくある事だった。例えば、キン肉マングレートがマスクを剥がされた後、次に読んだのはマシンガンズが大攻勢をかけている回だった。ピンチとラッシュの間に何があったのか。…子供の想像力と、未来への推進力はたくましい。易々と穴を埋め、何事もなかったように作品を読み進めた。
…そんな経験が、今も役立っている、のかもしれない。
結局、今作も、数年に一回行われるオールスター戦への前振りには違いない。そんな本戦を楽しむためには、少しばかり溜めも必要。そう思えば、キャラ、ストーリー、スペクタクル、いずれも「ちょうどいい」安心サイズ。
エンドロール後の一幕も、とても程よいスパイスだったし、「大」は付かないまでも、総じてとっても満足できました。
個人的なヒットは、ブリー・ラーソンによる『スコット・ピルグリム』のブラックシープ時代を彷彿とさせる熱唱が聴けた事。…本人が歌ってるか知らんけど笑