「新しいブラックパンサー誕生にふさわしい物語」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0新しいブラックパンサー誕生にふさわしい物語

2022年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

先代ブラックパンサーことティチャラ王を演じるチャドウィックボーズマンが亡くなり、その妹であるシュリ王女を主人公として描いた本作。予告ではティチャラが亡くなったことでワカンダをねらう新しい敵が攻めてくる風だった。実際はちょっと違ったがおおむねその通りで、海底の国を治めるネイモアが本作の敵。
一国の王であり超人でもあるという点ではブラックパンサーと同じで、しかし長年にわたり治めてきたというい点ではシュリとは全く異なる。一方は見守ってきたがゆえの歴史から国を守る重圧を背負い、もう一方は兄にして偉大な王を失った悲しみと共に国を守る重圧を背負う。覚悟をすでに決めている者と覚悟をこれから決めなければならない者の対比が、この作品に厚みを与えているように思えた。

シュリが戦争を通して王としてブラックパンサーとして立身する。悲しみで始まり、怒り、憎しみに心を燃やし、しかし偉大な先王を想って新しいブラックパンサーとして立ち上がる姿はまさにヒーロー。ネイモアも、敵ながらヒーローとしていい仕事をしていたと思う。
久しぶりに若きヒーローがヒーローになる物語を見て非常に満足。その先達であるオコエやエムバクも今まで通りきっちりかっこいい。新ヒーローであるアイアンハートは…今後に期待といったところだろうか。

サブレ