「初監督作品らしからぬ非凡さを感じさせる佳作」逆光 takfさんの映画レビュー(感想・評価)
初監督作品らしからぬ非凡さを感じさせる佳作
「絵」と「言葉」の美しさが際立つ。
特に表題になっている「逆光」を生かした様々なカットが秀逸で印象に残る。
タイトルからして考察の余地を多分に残す語り口ではあるものの、静謐な佇まいの尾道でのんびりと夏休みを過ごすような心持ちでスクリーンを眺めているだけでも楽しめる。
時に、踊る女の子のキュートさに目を奪われたり、おだやかでない若者たちの議論にはっとさせられたりもするが、全体的に瀬戸内の波のごとく静かな演出で進むため安心して見ていられる。
同様に文学的な作品として、同時期に観た「ドライブ・マイ・カー」(そういえば、こちらも広島が舞台だった)と比べれば3分の1ぐらいの上映時間だが、見応えという面では本作の方を支持したい。
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