劇場公開日 2021年7月30日

屋敷女 ノーカット完全版 : 特集

2021年12月3日更新

こんなクリスマスはイヤだ!
ハサミが凶器の女殺人鬼vs強気の妊婦
R18+閲覧注意の血みどろホラー「完全版」

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話題の映画を月会費なしで自宅でいち早く鑑賞できるVODサービス「シネマ映画.com」。本日12月3日から、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE (オソレゾーン)」セレクト作品「屋敷女 ノーカット完全版」の独占配信がスタートしました。

凄絶な恐怖を描き、2007年の日本公開時には修正やカットを余儀なくされ話題となったフレンチホラーのノーカット完全版。謎の女が妊婦の家に侵入し、命を狙う様を凄惨な描写で表現する血みどろのホラー作品です。このほど、映画.com編集部と配給担当が見どころを語り合いました。

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屋敷女 ノーカット完全版(アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー監督/2007年/83分/R18+/フランス)

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<あらすじ>

クリスマスイブの真夜中、出産を目前にした妊婦サラの家に黒い服を着た不審な女が訪れる。女が家に押し入ろうとしたためサラが警察を呼ぶと、女は姿を消す。ひと安心して床に就くサラだったが、なんと女はすでに家の中に侵入しており、大きなハサミを手に恐ろしい形相でサラに襲い掛かる。女の目的もわからず、衝撃と恐怖に包まれるサラだったが、そこで陣痛が始まる。


座談会参加メンバー

和田隆、荒木理絵、今田カミーユ、OSOREZONE担当N


■劇場公開当時の画面修正を消した、ここでしか見られない「完全版」

和田 予想をはるかに上回る、目を背けたくなる凄絶なシーンの連続でしたが、皆さんはいかがでしたか? 今作、心臓の弱い方、妊娠中の方は絶対に見ないでくださいという注意喚起が付けられていますね。

荒木 前知識ゼロで挑んだのですが、これは疲れました……いろんな意味で驚きの多い映画でした……。「完全版」ということで、これの前は結構モザイクというか、規制が入ってたんですよね?

N 当時の劇場公開、その後のレンタルDVDなどは、終盤の問題のシーンがほとんど画面が真っ黒になるほどのぼかしがかかっておりました。一応、当時発売したセル版では無修正版が見られたのですが、現在はとんでもないプレミア価格になってしまっております。

荒木 ラストに向けて超絶盛り上がっていくのに真っ黒とは……!ぜひ完全版で見てほしいですね。

和田 今回どうやってノーカット完全版の公開にこぎつけたのですか?

N 実はこの作品、私も見たことなかったんですよね。噂はかねがね聞いていたのですが、同時にかなりの修正が入ったバージョンしかレンタルなどには無いことも聞いていたので、初見をそれで見てしまうのもなんだかなあと思っていて。

和田 なるほど!

N セル版も今や入手困難……となればいっそのこと、OSOREZONEとして配給できないかと思い、今回の公開が実現しました。

荒木 ゴア表現が大丈夫な人たちでないと見ちゃダメですもんね、こんなやりすぎホラーは。笑

N 実際にノーカット完全版を観て、「これは、世に出さない方が良いのでは?」という思いも少しよぎりましたが笑、SNSなどでも「ついに完全版が見れる!」との声が多くて良かったです。

今田 私、ホラー映画が怖くなくて、笑ってしまうタイプの人間なのですが、これはそう怖がらせに来るか!という笑いよりも緊張感が持続しましたね。母性の狂気を描いた映画ですよね。

N もちろんゴア描写も大きな売りの一つなのですが、スリラーとしての緊迫感も凄まじいですよね。

荒木 暴力描写で「そんなことしちゃダメだろ」っていうゾーンを平気で飛び越えていくのでまず驚きますね。「屋敷女」の正体が分かる瞬間もかなり驚きますが……スリラーの良さもあります。

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■主演女優ふたりの魅力が光る「闘う女性映画」

和田 私もこの手の映画は苦手なのですが、「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」のベアトリス・ダルが出演しているということで頑張って見ました!

今田 「屋敷女」を演じるベアトリス・ダルが凶器のハサミを消毒してたりする謎の気遣いが良かったです。途中、一服するシーンもかっこいい。フランス映画っていう感じです。

和田 要所要所に小ネタを挟んでくる感じでしたよね。そんなことしている場合じゃないだろ!と、思わず突っ込みたくなるような。主人公の妊婦のサラ役はバネッサ・パラディの妹なんですね! キャスティングが実は秀逸。

今田 サラも肝の座った女性ですよね。ひとりで出産に臨もうとするのもすごいですし、屋敷女にやられっぱなしでなく、反撃しますしね。

N 今のトレンドにも通じる、闘う女の映画でもありますね。

今田 警官の男性陣、流血要員でしかなかったですね……笑

荒木 確かに主演二人は素晴らしかったです。アートムービーっぽいなと思ったんですけど、それはサウンドトラックが良いからですね。リヒターとか「ポストクラシカル」な雰囲気のあるゆったりとしたサウンドが殺人シーンで流れたりして、ギャップがうまいです。

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今田 あーわかります。あとはいかにもな効果音で怖がらせないのがエレガントでいいと思いました!

荒木 ちょっとひねりの効いた演出がいいんですよね。「いかにも」をうまく避けている気がします。

N 激しいシーンのノイズっぽい音楽も不快指数高めで好きです。監督コンビがとにかくホラー大好きなこともあって、ホラーあるあるに時に乗っかりつつ、時に巧妙に避けて予想外な展開もしてみたり、演出が上手いですよね。

和田 2000年代前半、フランスはバイオレンス・ショッカー・ブームだったとあります。

N 今やハリウッドにも引っ張りだこのアレクサンドル・アジャや、今なお良作を作り続けているパスカル・ロジェなんかが台頭してきた時期になります。

■実はクリスマス映画だった

今田 クリスマスイブが舞台ですが、クリスマス感が流血の赤だけなのもシュールで良かったです。

荒木 クリスマス全然関係なかった笑

N クリスマスに家にやってくる見知らぬ人、ある意味ではサンタクロースですかね?笑

今田 サラは、出産前だし「ひとりになりたい」って言ってましたけど、ホームアローンできなかった……。こんなクリスマス映画はイヤだ!ですね。笑

和田 おお、そういう見方もできますね!

荒木 いろんな人が押しかけてきて血まみれでてんやわんや!笑 お茶も出せずすみません!

N 確かに改めて思うと、家の中に限定されたシチュエーションものにしては意外と来客多いですね!

荒木 ほぼワンシチュエーションでよくここまでビビらせてくれますよね……感服です。

■大量の血のり、アナログかつリアルな作り込みに製作陣のこだわり

和田 CGではない、当時のアナログな作りがまたリアルでしたね。

今田 創傷部は結構リアルに作り込んでるなと思いました。

N そこはかなりこだわりを感じますね。屋敷女が本格的に登場して、ものの数分でクライマックス並みの傷の負い方です。

今田 あの血のりの量はホラー、スプラッターファンにはたまらないクリスマスプレゼントですね。ラストにどんでん返しもありますし。

荒木 私が一番好きなのは、エンドロール直前の真っ赤なシーンです。あの画面作りたくてこの映画作ったんじゃないかってくらい。バイオリンの美しい旋律が流れるあのラスト、最高です。画が強すぎる!

N 「母の愛」をテーマにした作品ですが、後半のあるシーンで「どちらが本当にお腹の子を想っているのか」がひっくり返るような展開があります。あそこが個人的にはすごく良かったです。

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和田 編集も上手いなと。実は悲しい物語ですよね。導入部のシーンはじっくり切なく描かれて、それがラストに効いてきます。

荒木 そうですね、スプラッターだけを見せたいというのではなくて、あの悲しい物語があってこそですよね。

今田 ちゃんと人間の心を描くドラマがあるからこそ、過激なグロ描写が続いても長年カルト的に支持される作品なんだなあと改めて思いました。

N ラストシーンは本当に美しいですね。大量の血のりを乗り越えて、ぜひ本編を最後までご覧いただきたいです。

最後に一つ、来年もOSOREZONE配給作品として準備している作品がございますので、情報解禁を楽しみにしていただけましたら嬉しいです!

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