「凝縮された劇映画」成れの果て サンカントさんの映画レビュー(感想・評価)
凝縮された劇映画
ポスターは金髪に染めた主演女優の萩原みのりが強い目力でインパクトが強い。観てみると出てくる俳優は知らない人ばかりで(好演しているけれど)、地方が舞台でおそらく低予算、地味な印象を受ける。
もともとは10年以上前に話題になった劇をベースにしているというだけあって、90分程度の上映時間に無駄なく緊張感持った内容。主演の萩原みのり演じる小夜が東京から姉のいる実家に戻ったことで8年前のある事件が再び記憶を呼び起こす。小夜は有無を言わさぬ物言いで周囲の人物たちを追いつめかき回す。腫れ物のような存在であるがポスターそのままにインパクトが強い。姉も図書館に勤める堅実な女性だが、その姉が8年前の事件の加害者である男と婚約したことが物語の始まりで、一見して地味な彼女がその恐ろしい本性を顕わにするのがこの映画の真骨頂。その取り巻きたちも嫌らしい人間ばかりで救いのない閉鎖的な舞台。
でもおもしろいと思った。上映館数も少なくて埋もれてしまうのは惜しい。
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