「月に行く金があるなら貧困層に回せ!」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
月に行く金があるなら貧困層に回せ!
呼称が“ニグロ”から“ブラック”に変わった頃。公民権運動が盛んだった60年代、ベトナム戦争、ドラッグの蔓延、ジョン・F・ケネディ、マルコムX、ロバート・ケネディの暗殺、そしてキング牧師も・・・暴動を起こさないために音楽で押さえ込もうとしたとも言われる「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が開かれた。動員数30万。日本じゃ全くわからなかったよ!
最初からスティービー・ワンダーの登場♪しかも貴重なドラムソロの映像まで流れる。しかし、これはほんの序章なのだ。様々な黒人ソウル音楽が登場する中、やっぱり知らないミュージシャンもいた。だけど、みんな熱い!!ブルースを祖とする音楽がこれほどまでに心に訴えてくるのは凄いことです。
BBキングの映像は結構観たことあるけど、ザ・フィフス・ディメンションは初めてでした。「アクエリアス~レット・ザ・サンシャイン・イン」は大好きな曲なのに、オリジナルではないことも知らなかった。そのミュージカル「ヘアー」のエピソードも楽しませてくれました。偶然?音楽の力?やっぱり何かある。
次に楽しませてくれたのがエドウィン・ホーキンス・シンガーズ。「オー・ハッピー・デイ」は『天使にラブソングを...2』でも使われた有名な曲。思わずウーピーを思い出してしまいました。そして圧巻だったのはマヘリア・ジャクソンとニーナ・シモンの迫力ある歌声。また、グラディス・ナイトが可愛い・・・スライ&ザ・ファミリー・ストーンがカッコいい。黒人白人混成ではあるけど、音楽やるのに皮膚の色は関係ない!
もうちょっと音楽を楽しみたかったけど、インタビューも随所にはさんで60年代黒人音楽シーンと政治史を語ってくれる。最近のスティービーの映像やクリス・ロックまで登場するし、何度も見たい映画となりました。
最後にはハーレムにある会場に残ったゴミ、ゴミ、ゴミ。つわものどもが夢の跡といった雰囲気は映画『ウッドストック』にも通ずる同じ構成だなぁ・・・
貴重な映像ですね。この映画まだ近くでやってるので、2度目いこうかなという気になりました。
ザ・フィフス・ディメンション「アクエリアス~レット・ザ・サンシャイン・イン」ステキですね。BS-TBSのSoul of Songs であのエピソードをやっていたのを思い出しました。是非とも再放送してほしい番組。