「これは熱かった。全身火傷した。」サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
これは熱かった。全身火傷した。
50年間封印された黒人による黒人のための音楽フェス:ハーレム・カルチュラル・フェスティバル。
あのウッドストックと同じ1969年の夏、たった160キロしか離れていないNYはハーレムの奇跡。
これは21世紀最大の発掘の一つとして讃えられるべき驚愕のモニュメントだった。凄まじい音楽が在った。
何とスティービー・ワンダーのドラムからスタート。作り手の音楽愛をしっかりと感じることができるオープニングだ。
B.B.キングからチェンバーズ・ブラザーズへ熱いバトンをつなぎ、フィフス・ディメンション登場‼︎
当時を振り返るファンの「マリリン・マックーが初恋だった」という言葉に涙し、自分たちの映像を見ながら涙するマリリンを見て涙腺が崩壊した。
休む間もなくステイプル・シンガーズ。30歳のメイヴィス・ステイプルズは無敵だった。今作のクライマックスとなるマヘリア・ジャクソンとの歴史的な共演を含め、メイヴィスがMVPと言って良いかも。
そしてこの時代に人種混合、男女混合のバンドが在った。そう、この2021年に改めてスライ&ザ・ファミリー・ストーンの存在の意味、意義を知ることとなった。ブラックではないグレッグ・エリコのグルーブが会場の黒人たちを圧倒した。
それにしてもニーナ・シモンの神がかったカリスマ性はいったい?
とか、語りだしたらきりがない。あの時代の政治・文化・ファッションをきっちりと反映したドキュメンタリーとしても貴重過ぎる。
すべてがハイライトと言える傑作であり必見作だ。
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