誰かの幸せのレビュー・感想・評価
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自分より…
劣っていると下に見ていた人物の成功は素直に喜べない、親友や恋人さえも。嫉妬しかなく、見ていて非常に醜いが、中々面白い視点。成功した彼女に全く嫌味がない点もさらに非の打ち所がない。自分たちにも才能があるのではと、夫婦で執筆、音楽、彫刻、盆栽、とチャレンジすれど長続きせず、平凡。ちょっぴり気持ちはわかるかな。
2組のカップル、4人の幸福バランス
1組の夫婦と恋人同士のカップル、食事をしたり遊びに行ったり、とにかく仲良し。ある日レストランで夕食をし、デザートを食べる食べないで揉めるのだが笑えるほどリアル!振り回されるウエイターがだんだんイライラしてくるのは頷ける。
その席で主人公のレアが「今小説を書いている」と打ち明けるのだけど、みんなはそんなものは相手にされるわけがない、と呆れている。カリーヌは「レアが書けるなら私にだって書けるわよ」と書き始める。レアのダンナは「じゃあ俺だって曲を作る」と言うが当然うまくいくわけもない。
レアの小説は出版が決まり、売れはじめて世間から注目を集めるようになると仲良し4人は微妙にバランスを壊し始める。特にカリーヌの嫉妬がすごい。見苦しいほどの嫉妬と妬み。
人は身近な人の幸せや成功は嬉しい。でも多かれ少なかれ、羨ましい、どうして自分はうまくいかないんだろうと考えることもあると思う。しかしカリーヌはちょっと露骨過ぎる。レアの事を自分より下、と見ていたようでレアの成功が許せないんだろう。
恋人のマルクもレアの小説を読む事もせず、少しだけ読んで「俺はこんな男じゃない」と登場人物と自分を勝手に重ね合わせて文句を言ったり、出版業界や作家の男性達との関係を勝手に疑い、結局は同棲解消。手の届かない遠くに行ってしまった、俺はヒモでは無いと感じたんだろう。
レアは作家として順調に活動し、マルクとの仲も元に戻るのだが、新しく引っ越した豪邸に久しぶりに4人で集まった時にカリーヌの妬みが最高潮に達してしまう。「あなたは変わってしまった」とレアに言い放つのだが、レアは変わっていないと思う。他の3人が変わってしまったように感じる。
結局、マルクとも別れ、マルクは会社の部下の女性と仲良くなったようで、カリーヌはマラソンに楽しみを見つけ、カリーヌの旦那さんは料理に目覚めお店を出した様子。それぞれが充実しはじめた事でまた少しずつ関係が修復するのでは?という雰囲気。
人は自分と近い人、環境や状況が似ている者同士が自然と集まるんだろうな。だからその中で1人が抜き出てしまうと不安になるし、バランスが乱れてしまう。ちょっと寂しい事ですね。
どうでもいい話。レアのiPhoneの着信音が自分と同じだった事がちょっと嬉しかった☺️
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