「良い意味で期待を裏切られた。」恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター こひくきさんの映画レビュー(感想・評価)
良い意味で期待を裏切られた。
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iPhoneで撮影したと聞いていたので、文化祭(映画研究会)的な映像を見せられるかと思ったら大間違い。これがiPhoneで撮れるんだと感心させられた。
あえてiPhoneの縦撮影と横撮影を意識させる画角の変化は、閉ざされた世界(潔癖症)と開かれた世界(潔癖症が治った状態)を表現していると理解。
ドタバタコメディ的な作品かと思いきや、後半にかけて急激にシリアスになっていく。
きっと幸せな2人の未来を感じさせる終わり方をするのだろうと予想しながら見ていたが、まさかの突然の別れ(を予感させる)で物語は終了。
ジン(女性)が目覚めた時に、最近流行りのタイムリープものかと思ったが、そうではなくジンの中で「ずっとこのままではイケない」と考えた時に、すでにボーチン(男性)との別れを決めていたんだろう。"目的論"で考えると、ジンはボーチンと別れるために「ボーチンの潔癖症が治った夢」を見て、自らの潔癖症を治したのだと感じた。
「彼を傷つける前に」と言う自らを正当化させる理論で武装して、リアリスト(女性)はロマンチスト(男性)に別れを告げる。
そんな監督のメッセージではないかと解釈した。
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