「ソボクの感情がこの映画の色になる」SEOBOK ソボク さんばさんの映画レビュー(感想・評価)
ソボクの感情がこの映画の色になる
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ソボクは『何もの』になったのか。なれたのか。
映画館でエンドロールと音楽が流れている間、『母親やその他大勢のエゴで生まれ自由を奪われ永遠を強制されたソボクの一生はなんだったのか。同じくエゴで生み出され社会の駒として生きる人間の一生と何が違うのか』考えました。
その人それぞれの死生観があるから、この映画を観て1つの答えは出せないんだろうなと思います。
自分の倫理観や社会の固定観念を問われる映画で、観た後もとても考えられさせます。
「お母さんは医者になりたくてなったんだよね、それじゃあ僕はなにものになれるの?」生まれたくて生まれてきた命はない。出生は全て親のエゴで「親になりたくて生んだ」「子どもが欲しくて生んだ」「死んだわが子に会いたくてクローンの子を作った」
死ぬことと同じように、命を生み出す事が私は怖いです。
ソボクが何者になったのか?
ただ、ソボクが死ぬ間際誰かに見守られその人は泣いてくれて、死んだ後も忘れないでいてくれる、そんなものにはなれたんだなと思いました。
ソボクが自分で選んだ靴も自分で決めた終わり方も、クローンではないソボクという個であることの証明なんじゃないかなと思いました。
中盤から後半部分にかけての感想になりましたが、ロードムービーとしても面白い場面がいくつかありました。初めての経験や街中で会う人達とソボクの交流がほっこりします。おすすめです。
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