「やまんばの昔話の世界観」ウィリーズ・ワンダーランド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
やまんばの昔話の世界観
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奇抜な発想の遊園地ホラー映画。子供向けかと思ったらHシーンが出てくるし、殺人鬼の悪霊が乗り移ったフィギュアなんておじさんには荒唐無稽過ぎてついていけません。
撮り方次第ということでしょうか可愛いぬいぐるみのような物体が豹変して人を襲うとか、子供たちの夢の遊園地が地獄に化すなんて言うのはギャップを売りにしたいのでしょう。
町ぐるみで旅人を悪霊の生贄にするなんてまるで日本のやまんばの昔話の世界観、謎の旅人(ニコラス・ケイジ)はまんまと餌食にされると思わせて素手で倒しまくるスーパーヒーローでした。よほど設定に困ったのか主人公が一言もセリフを発しない映画と言うのも珍しい。
クルマには軍の認識証が掛けてあったから軍人なのか、食べ物も一切口にせず持参したエナジードリンクのみで生きているらしい。やたら缶のアップを映すからてっきりスポンサー・タイアップかと思ったらPUNCHというレッドブルみたいな架空のエナジードリンク、監督は流行ものにはケチを付けたい性格なのでしょう。
どうにも説明が無いので勝手に妄想すれば主人公が従軍中に遊園地で家族を殺され、その復讐にやってきた父親でどうでしょう。
同じく復讐に燃える少女と主人公以外は全滅というのも極端だがわざと汚く描いておいて一掃するという下世話なカタルシス狙い、単なるきれい好きでは理解を越える主人公と被ります。
新奇性というか珍奇性は認めますが子供たちの夢を汚してまで作りたかった製作陣の狙いは何だったのでしょう。昔話同様、甘い言葉には裏がある、世の中は欺瞞と狂気に満ちているのだからということでしょうか・・。
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