「人によってはハマるクセになる」ウィリーズ・ワンダーランド うちみさんの映画レビュー(感想・評価)
人によってはハマるクセになる
*あらすじ
車のパンク修理費を支払えず、テーマパーク“ウィリーズ・ワンダーランド”で一晩清掃をすることになった、主人公のニコラス・ケイジさん。閉鎖中の施設内をひとりもくもくと掃除するなか、パークのキャラクターロボットたちが不気味に動き出し…。
*感想
「なんだぁ?意味わからん」で観終わる人もいれば、「意味わからんけどだんだんクセになってきたぞ…」という人もいると思います。私は後者。これは、すごく、クセになります。
私はホラーだと思って観はじめ、「なんじゃこれ?失敗したかな…再生止めようか」と迷いました。だけど、カオスな環境(作風)のなか、与えられた清掃作業をきっちり確実にこなしていく(演じる)ケイジさんを観ていて、徐々に気持ちよさをおぼえてきたんです。
ポイントは5つ。
○セリフがない
ケイジさんにはセリフが与えられていません。まったく話さない。言葉ひとつ発さず、ひたすらコツコツ掃除をするケイジさんに対して、心地よさを感じました。
○容赦がない
呪われて人を襲うようになったキャラクターロボットたちを、造作もなく、完膚なきまでに叩きのめしていくケイジさん。この爽快感。また、戦いのさいも黙ったまま。うめき声などちょっとした発声はありますが、悪党退治もひとりもくもくとこなしていく姿が気持ちいい。
○清掃に抜かりがない
とくにトイレ掃除をしているときのケイジさんがかっこよすぎるんです。雑巾で便器の外側、内側までも拭き上げてピカピカに。あれ本当にケイジさんご本人がすべて掃除しているのかもしれない。ずいぶん説得力があるというか。神経質に取り組んでる感じも好きです。
○休憩時間がある
どんな状況下でも、休憩時間知らせるアラーム鳴る→掃除や戦闘を切り上げて休憩室いく→エナジードリンク飲む→ピンボールゲーム遊ぶ→エナジードリンクの缶ゴミをクシャッしてポイする(だんだんたまっていく)、のルーティンを必ず守るケイジさん。この清々しさ。もちろん休憩は仕事をするうえで当たり前すぎることだけど、それすら守れない私たち労働奴隷の日本人には、観ていてスカッとする…のかも。
○イカした曲がある
ピンボールゲームをプレイ中にケイジさんが踊りはじめるんですけど、そのときに流れる1980年代調(たぶん)の曲がめちゃかっこいい。エンドクレジットの2曲目にも流れます。“ウィリーズ・ワンダーランド”を紹介するような内容の曲で、これもクセになりますね。
以下どうでもいい内容の感想です。本作を観た効果として、ネガティブ感情が和らいだように感じました。そして、この感想を書いてるときもなんだか楽しくなっちゃって、筆がスイスイ進む進む。思わぬ良作に出会えたようで、うれしいです!
あのエナジードリンク常習性高いのかな、飲んでみたいな。
2022/7/17 AmazonPrimeVideo