スーパーノヴァのレビュー・感想・評価
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セリフが少ない
セリフが少ない分セリフの力を感じられません。ゲイカップルならでは、からこその内容が確認出来なかったので、ゲイカップルの設定意図に疑問を抱きます。シチュエーションや主人公カップルに関して説明が少な過ぎるので、共感や想像の材料がもっと欲しいです。
愛情の深さは一緒
監督は異性、同性関係なく愛情の深さに変わりはない、ってことを描きたく本作を作ったそうです。
はい、それは静かで美しい映像と共に、十分に描いていたと思います。
主人公のカップルは旅にでています。その道中は、彼らの起伏ありつつも豊かであろう人生をなぞるかのようです。この演出とてもよいです。二人の会話を始め、作る空気感も見事です。さすがの演技力です。
全体的にセリフ少なめ、少ない描写で的確に説明してくれますから、ゆったり静かにクライマックスに向けて、物語が厚く厚くなっていきます。
愛するが故の言葉の数々に、想いの大きさに見てる方はホントに辛いです。頭だけの理解ではどうにもならないことだらけですよね、この世は。
ラストのまとめ方は余韻を楽しめ、、、いや、楽しむではないな。ずっと僕はこのエンディングの解釈について考えてしまってました。作中の二人がとても好きになってしまい、幸せになってほしいなぁって思ったからではないでしょうか?ワンコのルビーも可愛い。
答えは一つじゃない。愛の形の数だけあるんだろうな。
秀作です。
表面をなぞっただけのおきれいな映画
カップルの片方の痴呆症が進行している、その時に双方に生じる葛藤を描くんだ、というのは事前に明かされているこの映画の主題であった。
実際に観たら、事前情報以上の掘り下げがなかった。あの展開はありふれている。タスカー(患者)が、それを支えるサム(パートナー)が、時間をかけてどのように葛藤し、ぶつかり、あのような結論に至ったか、これがドキュメンタリーでなく作られた物語であるなら、もっと掘り下げるべきだった。美しい絵面と俳優の演技に委ねすぎだ。
深みの足りないひとつには、回想シーンを使わず、長セリフで説明をさせることも避けた撮り方があるだろう。彼らが作家として、ピアニストとして、これまでどのような人生を送ってきたか。どのような価値観の人物か。短くない時間にどのようにパートナー関係を構築してきたか。もしもっと描かれていたなら、彼らが葛藤から決断に至る過程を、鑑賞者も想像しやすかっただろう。
重要な主題でしたが、制作者には覚悟が足りなかったと思う。ゲイカップルであるということを殊更強調しなかったのはよかったです。
滲み出る想いも、湖水地方の雄大な景色も美しい
長年連れ添ったパートナーとの切ない最後とイギリスの壮大な自然を写し出す、話はそれだけ。
だか、それだけと言うには恐れ多い程、愛情に溢れている2人の演技は素晴らく切ない。
それだけに、最後のあっけない感じは否定できない。
期待値を上げず自然体で
観るべき映画でした。
人生はほろ苦いからこそ、よくも悪くも面白い!
そんな事を考えながらパートナーのいない私は、自分の行き方を考えてしまったのでした..
余談
某日本映画で同じようなテーマの映画があって、レビューしましたが、国民性なのか曖昧なラストで終わったことは、つくづく残念です。
哀切の物語
ピアニストのサムと作家のタスカーは、長年時間を共にしてきたゲイカップル。タスカーは病のため認知症が進み、いずれはサムのことも忘れてしまうと思い詰めている。
サムの久しぶりの演奏会のため、二人は車で旅をする。途中、サムの実家に立ち寄り、姉夫婦や友人の歓待を受ける。その夜、サムはタスカーが隠していたものを見つけてしまう。
湖水地方の美しい景色を背景に、老境に入った二人の旅を淡々と描くこの映画は、二人の抑えた演技と相俟って切々と感情に訴えかけるものがある。もちろん、愛し合う二人の性別がどのような組み合わせであっても一応は成り立つ物語ではあるのだけど、男同士だからこその哀切を感じさせ、何が起きたのかを思い描かせるラストも含め、余韻の残るいい物語だった。
なお、完全に余談だが、コリン・ファースがヒゲを生やすとああなるというのがちょっと個人的に衝撃だった。
しみる。
主演二人の演技に美しい自然、こころにしみる。相方が生きた記憶をどんどん失くしていったらどうするだろう。家族がいと友がいて人間関係があってこその人生だけど結局決めるのはふたり。思い想われ、そういう人生歩めただけで幸せかも…。
人生のしまい方
ロードムービーのスタイルで、パートナーとの繋がりを深めていくスタイル。
セリフのニュアンス・表情・仕草などから、会話に潜む裏の意味を読みとっていく必要があり、観客にとっては少々ハードルの高い作り。
ゲイについては自然なこととして、誰も咎めない姿勢が貫かれていてよかった。
つまりこれは性別に関係ない、パートナーとの人生のしまい方の話だ。
相手を思う故に、片や病気が進行して意識あるうちに自死を選びたがり、片や意識のない生ける屍となったパートナーを死ぬまで面倒みるという決意を選ぶと主張する。
映画の中に、どちらが正しいという答えはなく。
何を選んでも愛なのだというメッセージが詰まっていた。
タイトルは、身や心が塵になっても、「超新星(スーパーノヴァ)」のように、最後の瞬間に輝きを放つ鮮烈な愛のある生き様(死に様)でいたい、という意味なのだろう。と思った。
【失って悲しいと思うもの】
上映館は多くないみたいだけど、多くの人に観てほしいと思った。
「失って悲しいと思うものは、良いものということ」
もし、それさえも忘れてしまうのであれば、もっと悲しいだろう。
忘れることも、忘れられることも、怖いし、そして悲しいのだ。
この作品は、こうした状況を巡る、サムとタスカのやり取りが切なく、しかし、とても暖かい。
エンディングでサムが弾く「愛の挨拶」は、エルガーが妻に送った曲だ。
イギリスが舞台の作品であることもあって、エルガーがチョイスされたと思うが、エルガーと妻が、階級(エルガーが庶民)、宗教(カトリックとプロテスタント)、年齢(エルガーが相当年下)を乗り越えて結ばれたことも、サムとタスカに重なるところがあるのだと感じる。
ただ、この作品には、こうしたノン・バイナリーについてあれこれ考えるところは、ほとんどない。
2人の愛し、信頼し合う関係が、あまりにも自然に感じられるからだ。
記憶が無くなっていくというストーリーが、そうさせていると考える人もいると思う。
しかし、僕は、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチの演技が、僕達を終始2人の心の揺らぎに釘付けにし、他の考えを寄せ付けないようしているのだと思う。
認知症という物語の背景はありつつも、ジェンダー云々のカテゴリーを超えた、人が人を愛するというところにフォーカスし、葛藤を深く表現した秀作だと思う。
うーーん… 物足りなかった
演技力の確かな2人の掛け合いはさすがだし、多い会話の中で自然と2人の絆も感じさせる。
…でも、ストーリーが少し淡々とし過ぎてて退屈でした。何度もウトウトしました。
不治の病って、なんなんだろう?ってそればかり考えてしまい、気になって仕方なかったので気が散りました。
病気だと認めているのに薬は…
不治の病を患う小説家と、彼と20年来共に暮らす最愛のパートナーのピアニストの話。
人生の後半に差し掛かり、終末期を考える様になる年配カップルに降り懸かった難題を描いた恋愛物語ですね。
愛犬ルビーちゃんを連れてキャンピングカーでサムの姉家族宅へ向うところから話が進行して行く中で、徐々に病気のことを絡ませて見せて行く展開。
重々しい空気感という作品ではないけれど、淡々としたみせ方で明るさをあまり感じられず、互いのことを思うが故の、勝手な考えで巻き起こる拗らせを解いていく様はつまらなくはないし、共感出来ない訳でもないけれど、恋愛映画として如何にも、という感じがしてあまり自分にはハマらなかった。
「不治の病」というのも、間違いではないけれどハードル上げちゃっていたかも。
それと、とりあえず、性的マイノリティーと言われる方々の行きづらさみたいなものがあるのかな〜と思っていたが、姉家族も友人達も普通に接していて、そういうメッセージ性みたいなものはなく、車中の会話でほんのちょっと述べるのみ。
個人的にはそれを全面に主張してこられるのはあまり好みじゃないので良かったけれど、それならそんな会話もいらないのにと中途半端にも感じた。
恋愛映画好きな人がみたら面白いのかもしれないけれど…。
ロケ地、音楽、名演技
やはり映画の魅力はスクリーン一杯に広がる映像と音楽があっての名演技。
イギリスの雄大な自然と美しい音楽に、子供が介在しない二人だけの純愛。
もうこの要素だけで耽美な映画。ロケ地のイギリスのハイランド地方は本当に最高の自然。
スタンリー・トゥッチの表情豊かな演技が凄く印象的。佳作でした。
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