「スーパーノヴァとは、恒星の死による大規模爆発現象のことで、以前、S...」スーパーノヴァ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
スーパーノヴァとは、恒星の死による大規模爆発現象のことで、以前、S...
スーパーノヴァとは、恒星の死による大規模爆発現象のことで、以前、SF映画でも同タイトルの映画がありましたね。
ピアニストのサム(コリン・ファース)と作家のタスカー(スタンリー・トゥッチ)は20年来のパートナー。
しかし、タスカーが認知症を患って執筆から遠ざかり、サムも演奏活動から遠ざかっていた。
そんなある日、サムのもとに演奏依頼が届く。
場所は、サムの実家の近く。
いい機会だからと、ふたりはキャンピングカーで旅に出ることにした・・・
といったところからはじまる物語で、ダブルベッドで眠っていたふたりの画から始まり、映画はすぐにキャンピングカーの運転席と助手席へと移ります。
ふたりの職業、タスカーの認知症、久々の演奏依頼、サムの実家への立ち寄りなどの事情は、道中でふたりの言葉や態度で少しずつ明かされることになります。
この道中芝居がややまだるっこしく感じられるかもしれません。
途中立ち寄ったダイナーでみせるタスカーのちょっとお茶目で意地悪な言動(ふたりを知らないウエイトレスに対して「(サムを指して)彼のファンで、声をかけづらいなら、僕からサインを頼んであげようか」という)のようなコミカルなシーンがもう少しあれば良かったのですが・・・
サムの実家への立ち寄りは、タスカーがサムの姉とかねてから計画していたもの。
サムの姉が実家を処分するので、その「さよならパーティ」。
サムには知らされておらず、びっくりパーティでもあります。
サムが少年時代に寝た狭いベッドで、ふたりが狭苦しく寝るあたり、もう少しコミカルでもよかったかも。
その後、サムはタスカーの秘密の計画を知ります。
うーむ、やっぱり、話はそっちの方に流れていくのか・・・
なにせ、タイトルがタイトルだけに、死については意識せざるを得ません。
新しく購入した森の中の別荘で、サムとタスカーがお互いの心情を吐露するのが映画のクライマックス。
ふたりの想い、切ない・・・
映画は、決着地点をあいまいに観客に委ねたまま、久しぶりに弾くサムのピアノの切ない旋律を残して終わりますが(曲は、エルガーの「愛の挨拶」)、エンドクレジットで確認すると、このピアノ、コリン・ファースが実際に弾いているのですね。
英国の地方ロケも美しく、名優ふたりの演技も見どころがあるのですが、映画としては少し食い足りない感じがしました。
短編小説か、舞台劇で観る方がいいような感じでした。