「湖水地方の風景と儚くも美しい物語」スーパーノヴァ あささんの映画レビュー(感想・評価)
湖水地方の風景と儚くも美しい物語
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実力派俳優たちの繊細な表情にため息の出るような湖水地方の美しい風景、心揺さぶられる音楽。久々に芸術作品に出会ったようだ。
今生きている私たちを平等に待ち受けているのは“死”である。死に対しどのように向かうのか。認知症と安楽死をテーマに、だけど決してシリアスには描かずに、美しく前向きに描いているようにも感じた。
冒頭から映し出されるキャンピングカーに乗る2人のカップルは20年以上連れ添ったピアニストのサムと小説家のタスカー。タスカーは若年症認知症を患っている。サムの演奏会に向かうまでを2人はキャンピングカーで旅し、サムの実家を経由しハイランドの上を目指している。
刻一刻と症状が悪化するタスカー、愛するサムに迷惑をかけたくない、自分の変わり果てた姿を見せたくないと自死を望むタスカーに対し、愛した人を最期まで愛し貫くと腹を括ったサム、互いが互いを思い合う故に2人の間で大きく意見が食い違う。
第三者目線からみても甲乙付け難いほど両者の気持ちが痛いほどわかる。
悲しい物語ではあるが、題名の「スーパーノヴァ」のように、人生でこんなにも愛せる人に出会い、輝いた人生を送れた2人がただただ羨ましい。
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