劇場公開日 2022年1月7日

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「宮沢りえさんは素晴らしいが、イマイチ物足りない!!」決戦は日曜日 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5宮沢りえさんは素晴らしいが、イマイチ物足りない!!

2022年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

わがままなお嬢様(宮沢りえ)が、徐々に選挙の内幕を知り
苦悩する演技力はすごかった。
その美しさはついつい投票してしまいそう。

既得権益を守るために祭り上げられた
代議士の素人お嬢さまが
次第に選挙戦の内実を知って行く過程が、
ブラックユーモアたっぷりに描かれる。

この映画ってポリティカル・コメディなの?
それにしては、
政治への風刺が弱い気がする。
日本の選挙制度を批判したかったのか?
こんなノー天気な代議士の娘・川島ゆみ(宮沢りえ)でも、
三バン
(地盤=父親が今まで築いた集票力と後援会組織)
(看板=知名度)
(カバン=お金)
があれば、現金受け渡しの動画や、
暴言、
暴力事件、と
スキャンダルまみれでも、
〉それでも選挙に勝つことは可能だ・・・
と言いたかったのか?
政治家の資質・・・
そんなものこれっぽっちも持たない元アイドル歌手とか、
元女優やスポーツ選手など、
《知名度と好感度と人気》があれば、
簡単に代議士先生になれる日本国です。

私たち日本人有権者が選挙に半分しか行かないのは何故か?
その答えがこの映画の中にある。

川島ゆみが、選挙戦の内情を知るにつれ、
「不正に塗れた選挙には当選したくない」と、
突然正義の人に早変わり。
お目付役の秘書の谷村(窪田正孝)も考えることがあり、
落選を手伝う羽目になる。
この顛末を見ると、
《入れたい候補者がいないんだよね》
《選挙に行っても仕方ないよね》
が、如何に正しいかが分かる仕組みだ。

「国を良くする!」
「人柄が良くて能力がある」
「圧倒的な情熱がある」人物とは、
全く関係のない所で、
選挙の勝敗が決まる!!
これこそが、
最大の皮肉かも知れない!!

皮肉にも有権者の選挙離れの現実を、
見事に活写した映画になっている。

琥珀糖