「まずまず」決戦は日曜日 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
まずまず
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議員というのは地元や後援者に利益をもたらすカネの成る木であり、あくまでも「顔」であり「神輿」。
その陰で、調整役や繋ぎ役として時に泥にまみれた仕事をするのが秘書。
それを象徴するのが冒頭の体育館裏のぬかるみでのおんぶのシーン。
まあ、分かり易いのだが、逆に言えば裏テーマを持った小難しいストーリーではなく、見る側の想定を逸脱しない範囲で展開していきますよ、という宣言のようにも見え少し押し付けがましく感じた。
その後も、「この仕事、子供をあやすようなところがあるから」という中堅秘書(内田慈)の言葉を強調するかのように自棄になった候補者(宮沢りえ)の飛び降りをアシストしたりするなど直球過ぎる脚本は、ある意味コメディとしての本分を踏み外さなかったとも言え、鑑賞後には妙な安心感を覚えた。
予告編を見るとおバカ一辺倒のコメディだが、配給元がクロックワークスということもあって、「世の中にはこんな非生産的なことをやってる職業もあるんですよ」というちょっと斜めから見た視点の入った作品。
ただ、選挙を題材にするのなら、娘が父の後継になることを決意する過程も描いても良かったのでは? というのは率直に思った。
個人的にはお気に入りの俳優の一人である音尾琢真が途中で退場してしまったのが残念。
事務所の番頭役を演じた小市慢太郎も好きな役者さん。
この人はクセが無く、どんな役もサラっとこなすので安心して見ていられる。
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