「それでも変えないと」決戦は日曜日 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも変えないと
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前半が特に面白いよ。
政治の素人の宮沢りえがしきたりに翻弄されて、政治のプロ達はまさに「大人の対応」で丸め込んでくるの。プロ達の淡々とした対応がいいの。
想田和弘監督の《選挙》でも思ったんだけど、政治家本人より後援会が醜悪なんだよね。表に出てこない奴らがなに偉そうに言ってんのっていう。でも後援会ないと選挙に勝てないんだよね。この辺を変えないと。
後半は「地方議員の言いなりになるぐらいなら落選する」と頑張る宮沢りえと窪田正孝の策が奏功せず「あれえ?」って話だけど、そこまで面白くないのと、カタルシスが来ないのね。
政治の世界は絶望的にシステムができあがっていて、そこで新入りがまともなことを言うと「正論なんですけどね」と言われてしまう。
父の疑惑を秘書のせいにするときに宮沢りえだけが「おかしいよね」と言うんだけど、他の人間はスルーするんだよね。こういう状況は、仕事でたまにある。まともなこと言ってるのに、誰も聞かないのは恐い。
宮沢りえが「飛び降りる」っていうときも、淡々と処理されるんだけど、恐らく政治の世界では、一人の命に重みがないんだね。それも恐かった。
ラストは絶望的な状況を前に、それでもやろうとなって終わり。少しずつでも、やっていくしかないね。
宮沢りえは演技うまかったな。自分の主張だけを言うキャラクターが良く出てた。ビシッと固めた脇役に全く引けを取らない。
女性政治家というとみんな小池百合子都知事がモデルになっちゃってたけど、違うタイプで良かった。
政治ネタを入れ込んだ脚本も良かった。宮沢りえが主演するっていうと、このレベルの脚本がくるんだなと思ったよ。
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