「【現代日本の選挙システムをシニカル&アイロニカルに描いた政治コメディ。古き柵に満ちた日本の選挙システムを貴方は笑えるかな?我儘な2世議員候補を演じる宮沢りえさんの演技も面白き作品。】」決戦は日曜日 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【現代日本の選挙システムをシニカル&アイロニカルに描いた政治コメディ。古き柵に満ちた日本の選挙システムを貴方は笑えるかな?我儘な2世議員候補を演じる宮沢りえさんの演技も面白き作品。】
ー 今作を観て、直ぐに想起した作品は「なぜ君は総理大臣になれないのか」である。
香川一区で、地盤・看板・カバン無しで苦闘する小川淳也議員の選挙活動を追った優れたドキュメンタリー作品である。ー
◆感想
・今作の(一応主人公)は、元防衛大臣も務めた父を持つ、我儘な中年女性川島有美(宮沢りえ)が、病に倒れた父の後を継いで、周囲に担がれて選挙に出るお話である。
・だが、今作の本当の主人公は、有美の秘書を務める谷村(窪田正孝)達、秘書や選挙スタッフ、そして後援会の人々である。
そして、観る側は、”こんなシステムで選挙をしている国では、駄目だ。”と気が付く仕掛けになっている。
・地盤が無いと勝てない国。地盤が有れば、能の無い二世でも当選してしまう不思議な国、日本。
川島有美の周囲には、有象無象の連中が群がって来る。
・最初は、宮沢さんの”嫌な人”を演じる演技が良くて、クスクス笑いながら見ていた。
が、この作品が良かったのは、周囲から陰で”バカ”と言われている川島有美が、自分が置かれた状況、オカシナ選挙システムに気付き、秘書の谷村も”腐った珈琲”を飲んだ時に、”腐った選挙”に対し、”落選活動”を開始していく姿を描いているからである。
- 劇中でも触れられているが、川島有美は現代日本の腐った選挙システムに対し、素人だからこそ、違和感を持ったのではないか? 実は、政治家のあるべき姿を兼ね備えているのではないか?、と思ってしまったよ。政界の常識は、世間の非常識。-
・票集めと利権で繋がっている国会議員と地方議員の互助関係の描き方も良い。
- 絶対にあるよね、あの利害関係は。どこでも。-
<結局、彼女は”落選活動”も空しく、当選してしまうのであるが、彼女の様な二世議員は現在の国会にどれくらいいるんだろうなあ、と思ってしまった作品。
衆議院議員は、現在の半分で良い。
参議院議員は、現在の1/3で良い、が持論であるが、強ち間違ってはいないのではないかな。
繰り返し書くが、現代日本の選挙システムをシニカル&アイロニカルに描いた政治コメディである。>
議員候補の失言や振る舞いへの対処法などをみてると、いいとか悪いとかの倫理観は別として、仕事としては極めて有能なスタッフが揃ってます。
なので、NOBUさんの言う通りに議員定数を減らせば、秘書などで辣腕を振るっていた人たちが、民間企業の総務とか広報部門で活躍するチャンスが広がるかもしれませんね。