劇場公開日 2022年7月8日

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「児童書の映画化のため基本は子供目線。3人の監督が描く3本の短編から構成されているので、良くも悪くも作風がかなり異なる。」映画ざんねんないきもの事典 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5児童書の映画化のため基本は子供目線。3人の監督が描く3本の短編から構成されているので、良くも悪くも作風がかなり異なる。

2022年7月8日
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まず全体のナビゲーション役のモグラ親子の声をムロツヨシと伊藤沙莉が担当するキャスティングは良いと思いました。しかし、シーンが短いし作画も安っぽいので、正直、もったいなく感じたのは残念な点でした。
その流れで1本目のオーストラリアが舞台のコアラの子供リロイを主人公とする「リロイのホームツリー」が始まります。映像がナビゲーションに近いCGの感じで、「この映画は、全ての映像が似た物なのかもしれない」と、やや危機感を覚えました。
1本目では、主人公リロイの声を花江夏樹が担当しているのですが、全く気付かないくらいのトーンでした。
そして2本目の南極を舞台としたペンギンたちの「ペンたび」は、最初に「どこか聞き覚えのある声だな」と思っていたら、「紙兎ロペ」のスタッフによるもので、この段階で、作品はそれぞれの監督に任せられている構成だと気付けました。作画も「紙兎ロペ」のタッチなので、会話の雰囲気も含めて非常に見やすいですし、面白かったです。
ラストの3本目は日本を舞台としたウサギの「はちあわせの森」で、これは主人公のウサギを助ける先輩ウサギの声が下野紘で、まさに鬼滅の刃の役柄の声と設定がかぶっていました。この3本目が割と王道的な映像なのかもしれません。
全体に共通するのは「生き物の残念に思える特性」。このネタを随所にちりばめながら物語を進行していきます。
これらの小ネタを「へ~そうなんだ」と思いながら見て、私が一番ビックリしたのは、エンドロールの際の「ペンたび」の「声の出演」の箇所でした!
エンドロールにもスタッフロールの隣に小ネタが流れてきますが、スタッフロールの方にも発見があると思います。

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細野真宏