「ほのぼのロードムービーかと勘違い」コットンテール chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
ほのぼのロードムービーかと勘違い
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いつも通り前情報なしでみましたら、完全に勘違いしておりましたが、勘違いして観に行ってよかったです。こんなにシリアスだと知っていたら観に行かなかった。
喪失感にまみれた兼三郎の表情に続き、明子とのみずみずしいはじまりの時が散りばめられ、子育てが終わり穏やかな二人の日々。明子の病気が発症し、病院の帰りに二人で入った喫茶店で見せる明子の不安。
「迷惑をかけるだけの存在になっても、生きていかなくちゃいけないのかなあ。」
残酷なことにその不安は現実となり、介護の日々は時に家族にとっては辛いものとなる。辛いを通り越して惨たらしいまでに感じられたのは、鬼気迫る演技のせいか。
怖かった。きっと当事者の家族と同じ、怖かった。
明子の最後の願いを、紆余曲折ありながらも家族で叶えたのちに見つけた「Rabitt」は、明子のありがとうだったのか。夕焼けはいつだって美しいけど、大雨の後の夕焼けは尚更美しい。
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