「死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し、敬い、貞操を守ることを誓い合う!」コットンテール The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
死がふたりを分かつまで命の続く限り、これを愛し、敬い、貞操を守ることを誓い合う!
命は限りある。そして突然の別れ・・・
某有名な国民的漫画家と、長年国民から愛されたアニメ声優の突然の訃報。
これを知った時、私は言葉が出なかった。あ~ぁそうなんだと・・・
元気を沢山送り続けてくれる その源が消えて無くなる事ほど悲しいものはないな。そう思う。お二人のご冥福をお祈り致します。
そんな中、「コットンテール」を観に行った。(久々の遠征)
どうしても ”ぐるりのこと。”で夫婦役(翔子&カナオ)で共演していた 木村多江さんと、リリー・フランキーさんの夫婦役がもう一度観たかったからである。
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この作品は、主人公(作家)兼三郎と明子夫婦の出会い(馴れ初め)から始まり、病で亡くなる妻の死後 彼女の遺言状に書かれていた”イギリス北部のウィンダミア湖に散骨して欲しい” この願いを叶える~ 頑なで寡黙な兼三郎と
疎遠であった一人息子の慧(役:錦戸亮さん)夫婦家族と一緒に散骨の旅をする話である。果たして 無事に遺言は叶えられるのであろうか・・・
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馴れ初めからして とっても良い雰囲気で二人の間が芽生える。見ているコッチにも幸せお裾分けな思いw。
若年期を演じた工藤孝生さんと恒松祐里さんが好演でしたね。
やがて二人は夫婦に。
息子も一人出来て 成長しやがて結婚し旅立って、また夫婦二人の生活に戻る。
ある時、妻が認知症の資料と施設パンフレットを取り出し夫に見せた。
ここから 病に転じてしまう妻明子。精一杯看病する夫兼三郎の姿。
認知症がもたらす悲しい症状。家族の途方に暮れる姿が本当に居た堪れない。
病室のベット上で最後を看取る夫。妻が言葉に成らない声を出している様で。でも観ているこっちには聞こえない。きっと二人の間だけで分かる会話(最後の別れの仕草) それがとっても 切なく胸を打ちます。
二人の間を死が分かした現実を受け入れられない 兼三郎。
寺の導師がなぜ遺言状を預かっていたのか その流れには大いに疑問であったが、
遺言状の願い(散骨)を疎遠の息子家族と執り行う事で きっと孤独に成りがちな兼三郎の事を思い、これからの残された人生を息子家族と一緒にやって行って欲しい願いがココに在ったのだろうと そう思います。
仲の良い熟年夫婦がいつかは迎える旅路の終焉、それを感じます。
寿司屋に持って行ったネタは何処で調達したの?とか、自転車は返さんでいいのとか? イギリスの散骨許可はいいの?とか 色々野暮な事は有りましたが この夫婦には聞きますまい。
お二人のファンの方、
仲良し熟年夫婦の方、
お時間許すならお二人劇場でどうぞ!