劇場公開日 2024年3月1日

コットンテールのレビュー・感想・評価

全95件中、1~20件目を表示

5.0よく見れば、良い家族、良い映画

2024年3月1日
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鑑賞方法:映画館
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猿田猿太郎

3.5きっと一緒に

2025年1月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

明子さんも、きっと一緒に「ラビット」を追いかけている。
人の一生なんて、あっという間に終わるんだろうな。
自分自身の最後はどんなふうになるのかとか、
色々考えさせられる。

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上みちる

4.0迷子のコットンテール

2024年12月30日
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リリー・フランキー演じる作家大島兼三郎は、おそらくノーベル賞作家大江健三郎がモデルになっている。長男の大江光は脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者で、その実体験をもとに『静かな生活』などの小説を書いている。本作の兼三郎も妻の明子(木村多江)が認知症を発症自宅介護を選択するものの、責任を最期まで全うすることができなかったことを悔いていた。その贖罪からだろうか、息子慧(錦戸亮)家族とも疎遠になっている兼三郎だった。

この兼三郎、魚河岸で奥さんの大好物タコブツを無断で失敬したり、英国湖水地方のとある駅で放置されていた自転車をネコババしたり。手癖の悪いところがあの“ピーター・ラビット”にクリソツなのである。映画タイトル『コットンテール』はピーターに3匹いる妹のうちの1匹の名前であり、妹たちにたらふく野菜を食わせてやりたいと人間の耕す畑から無断で拝借する様子が面白おかしく描かれているそうで、やがて“自由”には“責任”が伴うことを学んでいくのである。

つまり、イギリス人映画監督が日本人俳優を使って撮りあげた長篇処女作は、家族が障害者を受容するにあたって生じる責任について言及した作品ではないのだろうか。途中兼三郎が迷子になってお世話になる英国人とその娘が登場するのであるが、娘の年齢からして母親が何かしら病気を患って早逝したらしいのだが、その介護生活にはあまり触れられていない。しかしながら本作は、障害者や認知症患者を受容する(万国共通の)家族の葛藤をテーマにした作品であろう。

兼三郎の場合、仕事に忙殺され家族をかえりみなかった疚しさをして、息子とその家族をわざと過酷な介護生活から遠ざけたようなところもあり、息子の慧としては(自分勝手に一人で責任を負うようなまねをせず)もっと自分に頼って欲しかったというのが本音ではなかったのだろうか。映画としては、原作者ビアトリクス・ポターよろしく湖水地方の美しい湖へ明子の遺灰を散骨するロマンチックストーリーになっているため、介護問題への言及が多少薄まってしまった気がする。

映画ラストは、草むらに逃げ込んだ“コットンテール”を家族で一緒に追いかけるシーンで閉幕する。ここ湖水地方では犬も歩けば必ずや遭遇する迷子のウサギちゃんらしく、徘徊して行方不明になりかけた明子をそれに重ねているのだろう。一人で湖を探そうとするから道に迷うのであって、みんなで仲良くウサギちゃん探しゲームを楽しむくらいのノリで介護に望めばいいのである。この世の不幸をすべて背負子んだかのような兼三郎の頑なな態度こそが、家族を破壊する元凶なのだろう。

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かなり悪いオヤジ

3.5沁みた

2024年12月21日
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鑑賞方法:VOD

リリーさんのセリフひと言ひと言がじんわり響いた。

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Olivia

3.5ウィンダミア湖畔への旅‼️

2024年12月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

幸せ

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活動写真愛好家

3.5老年の機微を丁寧に描いた秀作

2024年11月6日
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鑑賞方法:その他

泣ける

老年の機微を丁寧に描いた秀作だが、助けられた英国人との別れの交流がごっそり切り落とされていたようで納得ができなかった。

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アトム

3.5愛妻を亡くした初老の夫の寂しさを切々と

2024年9月12日
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鑑賞方法:VOD

それを形にして演じるリリー・フランキーがいました。
・・・髭が白くなったなぁ。
・・・不安げな表情、上手いなぁ、
と改めて感心する映画でした。

《ストーリー》
長年アルツハイマーを患っていた妻(木村多江)が亡くなった。
看病疲れと喪失感から茫然自失の夫・謙三郎(リリー・フランキー)
看病を一人で抱え込んでいた謙三郎は、葬儀の迎えに来た一人息子の
彗(トシ=錦戸亮)に喪服のネクタイまで形作って貰うほど疲れていた。

3年前までは意思疎通も出来た妻。
その明子の遺書を住職から渡される。
そこには「遺骨をピーターラビットの里、
・・・ウィンダミア湖に散骨して・・・」と
書いてあった。

1966年に撮影した明子が若かった頃に一度だけ訪れた際に写した
一枚の写真。
それを頼りに、息子と嫁(高梨臨)孫娘の4人で
謙三郎はイギリスに向かった。

異国の地で謙三郎は自分の無力をまざまざと思い知る。
息子任せにしたせいでウインダミア湖の正確な位置も頭に
入れてこなかった。
ロンドンのホテルで、気持ちばかりせいて、若い人のペースに
乗れない。
単独行動で湖水地帯を目指すものの、反対方向の電車に乗っていた。
慌てて電車を降りて、とある駅で夜明かしすることになる。
ここで謙三郎がユニークなのは、自転車で闇雲に走り出すこと。
川崎では値札の付いてないタコのぶつ切りを、持って来たり、
英国でも誰かの自転車に勝手に乗り、どこかで乗り捨てる。
朝から缶ビール、今時なのに、歩きタバコ、くわえタバコ・・・
常識が無くて、なんかハラハラする。
英語教師をしていた過去(いつまでだろう?)
発音がめちゃめちゃカタカナの棒読み。
(日本語を封印されたリリーさんは、手足がもがれたように
心もとない)
おまけにガラケーときている。
(いつの時代の話なんだろう?)

やはり高齢で地域社会から孤立していると情報から取り残されている
姿が浮かび上がる。
湖水地帯から300マイルも離れた場所で雷雨に濡れて途方に暮れていたら、
牧場主の父娘に親切にされる。
(お風呂まで入れるなんて、私にはとても出来ないよ)
(そうでもないかな?人畜無害そうだから、もしかしたら出来るかな?)

謙三郎は息子が書いたくしゃくしゃにした電話番号メモに、
なんとか公衆電話から連絡をする。

良く巡り会えたものだよ。
レンタカーにカーナビがついていたってどうやって
探したんだろう?
奇跡のように思える。

一枚の写真から、場所を特定するなんて不可能だ。
地形も変わる、樹木なんか生え茂ったり朽ち果てたり流動的だ。
ウィンダミア湖地域は2017年に世界遺産に登録されたという景勝地。
ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポーターが、こよなく愛した
湖水地帯だ。

【安堵】
息子とも再会して、謙三郎がここで良いと満足した地に遺灰を静かに
撒いて沈める。
嫁と孫はピーターラビットそっくりの兎を見つけて、はしゃいだ声を
あげている。
好むと好まざるに関わらず、優しい息子の側を、離れないで、
「老いては子に従え」
この言葉は真理である・・・そう謙三郎も思っただろう。

(寡黙な映画でしたので、心情を推測しました)

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琥珀糖

鑑賞後1時間は続く

2024年8月29日
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鑑賞方法:映画館

 若くして認知症を患った上に更に病を得て亡くなった妻の遺言を叶える為に、イギリスのウィンダミア湖に散骨に行く男のロードムービーです。大きな出来事の起きない静かな物語なのですが、この歳になるとそれこそがジンワリ心にしみるんです。リリー・フランキーのしょぼくれた男の後ろ姿がしみじみ。そして、途方に暮れる彼の背を押す地元の父娘の思いやりが暖かいな。

 こんな映画に出会うと、「僕も今の内に妻を大切にしないとなぁ」という思いが、鑑賞後1時間は続きます。うん、きっかり1時間。

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La Strada

3.5ほのぼのロードムービーかと勘違い

2024年6月2日
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悲しい

難しい

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chibirock

3.5認知とは

2024年6月2日
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泣ける

知的

幸せ

未だ解明されていない、人類の課題なのかもしれない。
むしろこのような表現をすると大問題のようにも感じるが
実は局地的にある世代を皮切りに出現し始めた問題かも知れないのだが。

当事者意識と外野観戦で全く結論が変わるのが
認知症を取り巻く物語なんだと改めて思った◎

母さんを最後に助けてくれる存在の助け方が
色々あるように。

なかなかに優れた怪作である(^^)

リリーさんは映画運が良いよなぁ〜

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tomokuni0714

3.0there were four little Rabbits,and their names were-Flopsy,Mopsy,Cotton-tail and Peter

2024年5月29日
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鑑賞方法:映画館

ビアトリクス・ポターの「The tale of PETER RABBIT」の冒頭の一節である。(この映画にも出てくる)コットンテールはここから。
ポターは世界中で知られた作家であるが特に日本に熱狂的なファンがいて屋敷があったウィンダミア湖は聖地巡礼の場所になっているそうだ。彼女は亡くなった後、遺言で湖水地方の何処かに散骨された(場所は非公開)木村多江演じる明子はポターのファンという設定で散骨もそこから連想したということなのだろう。
長く連れ添った夫婦というものは不思議なもので互いにかばい合い、自分たちの子供であっても間に入ってこられることを嫌がるようなところがある。オムツを外してしまった明子を兼三郎が風呂場で洗ってやるところ、たまたまやってきた息子のトシを憲三郎がなかなか部屋に入れない。私の亡くなった両親もあんなふうだった。
一方で、この映画では兼三郎を中心とした人と人の関係がなにか独特な感じがした。ベタベタはしていないし、かといっても乾ききってもいない。微妙な距離感があるというか。兼三郎からみた息子夫婦との関係については、トシとさつき、孫娘のエミまでがみんな美男美女であることがその印象を強めているような気がする。兼三郎が旅先で助けてもらう農園の親子との関係も不思議。ありえないほど親切にしてもらったのに別れ際はあんなにあっさりしてて良いの?と思った。こころなしかリリーさんもいつになく無頼な印象がない。
イギリス人の監督だからですかね。悪くはないけど。このあっさりした感じも。
最後に一つ。明子の両親は湖バックの写真にしか登場しないのだけどエンドロールでは母親役が真矢ミキとクレジットされていたように見えた。見間違いかしら。

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あんちゃん

4.0ロードムービーの形を取っているが…

2024年4月25日
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ぺがもん

5.0リリー・フランキー劇場

2024年4月11日
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知的

幸せ

良い役者ですね。
監督は外国の方ですが、
リリー・フランキーの良い所引き出しました。

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こえん

4.0父と息子はわかりあえるか?

2024年4月8日
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泣ける

私の話で恐縮だが、父親と心が通ったのは、今から7年前の1月、独りで暮らしていた父親が脚を骨折して入院、91歳で亡くなるまでの約2か月余りの間だった。

特に急性期病院から私の自宅近くの病院へ転院したことで毎日のように見舞いに行って沢山話をしたからかなと思う。

それまでは、独り暮しを心配する私の気持ちを汲み取ることなく、母(妻)と同じ施設に入ることを頑なに拒んでいたので、側にいてくれるだけで嬉しかった。

兼三郎と慧も、妻であり母である明子の死によって再会し、ぶつかりながらも相手を思う中で寄り添えた。

父と息子は何かしらのきっかけがなければわかりあえないのか。

次はそうでない親子の物語をさがそう。

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まーさん

5.0健三郎が愛おしい

2024年4月1日
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不器用で、家族と上手く付き合えないどうしようもない親父、でも奥さんの最後の遺言を通してもう一度家族と繋がるきっかけをつかむ。

思いがけず涙が出ました。

若い2人の出会いから最後亡くなるまで健三郎は奥さんを不器用ながら本当に愛していて
アキコは売れない作家の唯一の理解者で
2人の繋がりが切なく愛おしくて。
すごくいい作品でした。

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映画三昧

3.0イギリスに期待し過ぎた

2024年3月30日
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悲しい

難しい

幸せ

イギリスを旅するロードムービーかと思っていたので、けっこう東京のシーンが多かった。

木村多江さんとリリー・フランキーさんの組み合わせと、高梨臨ちゃんと錦戸亮くんの組み合わせは対象的なように感じて良く考えられてる気がした。

わざわざイギリスじゃなくても良かったなと思いました。

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ふわり

3.5キャスティングが良かった

2024年3月30日
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鑑賞方法:映画館

海外班がいたからか日本映画っぽくない雰囲気の映画だった。妻明子を亡くした喪失感に浸る兼三郎とその息子トシ家族のロードムービー。若かりし頃含め明子が健在だった頃の夫婦間のエピソードがもう少し多ければ、認知症による闘病の過酷さに向き合う兼三郎の心情がわかったかもと思った。が、夫婦にしかわからないエピが少なかったことでトシに寄り添うような見方ができたのかなとも思う。

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may 929

4.0タイトルなし

2024年3月27日
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Rin1103

4.0最後の告白が心に刺さる

2024年3月25日
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泣ける

悲しい

 今回はリリーさんの哀愁漂う姿に惹きつけられました。無骨で自分本位で、どうにか妻の願いを叶えようと息子に不器用な態度をとってしまう姿がもどかしくてたまらなかった。「一生のお願い」よりも「最期のお願い」という言葉がなによりも執拗な行動をさせた原因になってしまったのだろう。夫婦や家族がいれば、誰もが経験する大切な人の別離と病気。妻に対する優しい言葉遣いや労る介護が、苦しくて切ない。うまく対応できなかったことで、息子に対する嫉妬めいた思いを抱いてしまう感情もなんとなく察せられる。
 錦戸亮さん演じる息子の目と母(妻)の目が同じに見えました。父(夫)を責めるような、願い乞うような視線。そして、木村多江さん演じる明子の表情と幼い声が悲痛で涙しました。とても好きな女優さんです。
 兼三郎が1人のとき、目的のウィンダミア湖までの道中に出会って助けてもらった父と娘の親子も、とてもいい味出してるなぁと。他人だからこそ話せることもあるし、親切や言葉も素直に聞くことができる。最後の告白は私にとっては意外で、だからこそ心に刺さりました。
 物語は静かで浮き沈みは大きくないけれど、イギリスの風光明媚な自然風景は美しく、沁沁と心があたたかくなりました。

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ふたり映画

3.5亡き妻の遺言を叶えるためイギリスに旅立つ主人公の物語。シンプルな話かと思ったのですが実はそうでも無いような気がして鑑賞後悶々とする状態が続いています。

2024年3月24日
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もりのいぶき