「【”私たちの愛は、永遠に繋がれる・・。” 人生の黄昏時を如何に有意義に過ごし、潔く身を処すか・・。深く、重いテーマを名優達がユーモアを交えつつ、演じています。】」ブラックバード 家族が家族であるうちに NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”私たちの愛は、永遠に繋がれる・・。” 人生の黄昏時を如何に有意義に過ごし、潔く身を処すか・・。深く、重いテーマを名優達がユーモアを交えつつ、演じています。】
ー 舞台は明らかになっていないが、安楽死を認めていない地である事は、直ぐに分かる。ー
◆半身不随のリリー(スーザン・サランドン)と夫ポール(サム・ニール:良い味を出している・・。)の住む瀟洒な家に長女ジェニファー(ケイト・ウィンスレット)一家と、二女アナ(ミア・ワシコウスカ)とパートナー、クリス(ベックス・テイラー=クラウス)そして、リズ(リンゼイ・ダンカン)がやってくる。
”リリーに最期の日々を楽しませるために・・”
ー 出演俳優さん達の陣容が、凄い・・。ー
<Caution! 以下、内容に触れています。>
◆感想
・集った人たちが、リリーの選択を許諾して集まった筈なのに、徐々に不協和音が鳴り始める。
そして、冒頭、リズがやって来た事に対するジェニファーの態度。
・女王の様な、リリーの勝気な性格も随所でさり気なく描かれる。
ー ”良いの、一人でやれるから・・。””雰囲気を壊さないで頂戴!”ー
・何故、リズは家族でもないのに、昔からこの家の様々な催し事に参加しているのか・・
徐々に膨らむジェニファーのリズへの不信。そして、まさか父と共謀して・・。広がる不安感。
ー この辺りの家族の描き方が、尺の関係もあるのだろうが、やや粗い気がする。ー
・大家族の朝食風景が良い。余命幾ばくもないリリーが、”主の席”から”ベーコン取ってよ”と大皿からベーコンを皿に乗せたり、ポールがスペアリブ塊肉に、念入りに肉汁を掛けていたり・・。
ー 食は、家族を繋ぐ大切なモノである。ー
・楽しい、季節外れのクリスマスパーティ。最初は、穏やか且つユーモラスに進むが・・。
本音をズバズバ言う、ジェニファーが、母の選択に異を唱え、アナも・・。
・別の場で、アナの秘密にも、ジェニファーは突っ込むが、パートナーであるクリスが語ったアナの真実に、誤解だったことを理解する。
<ベッドに横たわり、クスリを飲むリリーの両脇には、全ての確執を乗り越えたジェニファーとアナが彼女を支えている。
そして、真正面には、理解ある夫ポールの姿。
見事な人生の末期の処し方であろう。
けれど、私たちは、その行為は家族の理解があって出来る事だという事を、忘れてはならないのである。
そして、その家族を長き年月をかけて育てて来たのは、リリーであり、ポールなのである・・。>
<2021年7月18日 刈谷日劇にて鑑賞>