「人々に課された課題は大きすぎる…。」ブラックバード 家族が家族であるうちに caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
人々に課された課題は大きすぎる…。
安楽死を取り扱った作品。
集められた家族は、家族の心の隙間を埋めるように、別れの瞬間を引き延ばそうとするかのように、ひとつの時間を過ごしていく。
会話は移ろい、歌声はそぞろに響き渡る。
抑えきれない感情が噴き出し、やりきれない思いは行く宛を失い、刻一刻と時間は過ぎ去っていく。
安楽死とは、人権に基づく個人の権利なのか、それとも犯罪なのか、そもそも、それを判断できる人間は存在するのか。
ストーリーは、その考察をも拒むように、ただただ進んでいく。
科学万能の、この現代に、人々は、これをどう判断するのか?科学は本当に人類を進化させているのか?
時代は虚ろに漂い、科学は人の心をはかるには、心もとない。
神の領域に踏み込む時、人は何を心の中心に置くのか?神なき時代に、人々に課された課題は大きすぎると言えるのかもしれない。
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