「ラストのボレロのシーンは美しい」クレッシェンド 音楽の架け橋 goshiraさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストのボレロのシーンは美しい
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イスラエルに実在するパレスチナ人とイスラエル人による管弦楽団に着想は得ているが実話ということではないらしい。解決の糸口さえ見いだせていないイスラエルとパレスチナの問題をテーマにおいているので映画においても何かが解決するということはない。映画の中で何度も描かれるパレスチナ人とイスラエル人が互いを罵倒し合うシーンはこの問題の深刻さを感じさせる。
しかも、パレスチナ人とイスラエル人の融合につながるエピソードはことごとく失敗する形で描かれる。厳しい現実を棚上げして映画の中に架空の平和を作るようなことはされない。しかし、だからこそラストのシーンで、異なる待合室で飛行機の出発を待つ楽団メンバーが演奏するボレロは美しく響くのだと思う。そこにはまだ希望が存在し得るのだということを表しているのだと思う。
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