テーラー 人生の仕立て屋のレビュー・感想・評価
全58件中、21~40件目を表示
テーラーとは
人生の仕立て屋という副題が素晴らしいです
無口な男の起死回生物語
ギリシャで老舗テーラーを営むニコスは経営難に陥る。危機を脱するために、移動式テーラーを始めることにした。営業している途中で、ウエディングドレスを仕立ててほしいと住民の女性に声を掛けられ、悩んだ末、引き受けることになる。しかし、女性の服を作ったことがないニコスはお向かいさんの母オルガと娘ヴィクトリアの力を借りて、経営を立て直してゆく。
とにかくオシャレな映画でした。ファッションデザイナーを目指している人におすすめです。ヴィクトリアとの交流は紙の船に書いた文章をロープウェイみたいに文通していたり、スーツでバイクにつなげた屋台で走るシーンはユニークでした。
しかもちょっとしたお色気シーンやオルガとの不倫、それに嫉妬するヴィクトリアといった、ロマンス・サクセス・ノスタルジーな要素が盛りだくさんの映画でした。
ラストは最初のテーラーの看板がちょっとした伏線になっています。
じんわり染み渡ってくる
手に職があることは、強いのだ!
日本の街から、職人がいなくなって久しい。
手に職がある技術者には、生きていく術が、未来があることを気づかせてくれる。
国家資格などじゃなくていいんだよ。
料理、野菜、魚の直売、裁縫、は車の運転よりも価値がある。
日本の未来のためにも
こういう生き方、暮らしができる社会がなくってはいけない。
街中に職人が、ささやかでいいから暮らせる社会は、活気があっていいなぁー。
などと、歳とると強く思う、思わせる映画です。
思ってたよりビター
トレーラーで見せたふわっとしたファンタジックなお話ではなく、思ってたよりビターな人生賛歌でした。
でもそれは決して悪く言ってるのでなく、ちゃんと世の中と向き合っているように感じました。
格式を重んじる仕立て屋が窮地を脱する為に、そして何より自身の世界を広げる物語。
それは実に緻密な作りで序盤は単調な毎日を描き、色調も抑え台詞も少なく寧ろ仕事の音(布をこする等の生活音)ばかりを印象付けます。
日本でもですが、昔からの職人は時代に取り残されてしまい、その技術や心が途絶えてしまっているのが寂しく思います。
まさにそんな現代社会を描いた作品。
しかし視点を変えることで彼はその窮地から抜け出して行くんですね。
徐々に絵面はギリシャらしい鮮やかな色合いになり、笑顔も多く映るようになっていきます。
気がつくと彼は携わる人々の人生を仕立て上げ、また自身も段々と花開く様に。
この手にしては珍しく、可愛らしい部分だけでなく男と女を生々しく挟んできたのも印象的。
でも彼が自身の世界を広げるには、結構大事なエピソードだと思ってます。
あと、お父さんとその友人がパリッとしててすっごいおしゃれなのが好き。老後はこう在りたいと観ていて思いました。
私自身スーツと無縁な仕事とあり、ちょっと憧れます。
とある人生を描いた、とても良い作品でした。
走れ‼ニコス‼
不況による店の差し押さえ、更に父まで倒れ大ピンチの仕立て屋さん、ニコス。一発逆転を目指し思いついたのは移動式仕立て屋。しかし、安い露店に囲まれながら高級スーツが売れるわけもなく・・・。
コメディかと思って観に行ったが、その要素はあまりなく、寡黙な男の優しさやプライドを超えて成長していくドラマ作品だった。
男性用スーツ一本でやってきた商売がうまくいかないところで、協力してくれたのはお隣さんの女性オルガと娘のヴィクトリアちゃん。
成る程、女手ひとつで娘を育てるオルガと協力していくうちに急接近…っていうストーリーかと思ったら…え!?
無邪気でありながら気の利いた性格で営業を手伝うヴィクトリアが愛らしい♪
始めはそうなることを期待していたのかな~と思ったけど。懐くニコスにも、そこを超えるとこまでは望んでいなかったのね。良い意味で軽く騙された感じがしてヒュンとしました。
ストーリーとしては、前半はとにかく静かで起伏も感じなかったが、何か応援したくなっちゃうニコスの姿に目が離せないし、苦労して作ったドレスが日の目を浴びる場面なんかにはポカポカした。
対する後半は中々の急展開。ヴィクトリアの立場の変貌や、屋台とタクシーのくだりはゾクゾク。まぁ、冷静に考えてどちらが悪いかと言えば…ねぇ。感情移入できちゃうのは相手の方かな(笑)そりゃあ気に食わないでしょう。
この通り、仕立て業を通したオルガとのストーリーも良かったが、個人的には本筋じゃないかもしれないけど、お父さんとの物語がとても良かった。
カラリスと息子の店…なんて名称だったり、友人に冷やかされても、息子の頑張りは最初から認めていたんですよね。店を何十年も続けたプライドもあるし、反対はしてたけど。
残した型紙…一瞬でしたが、非常に深いメッセージが込められていたんじゃないかと。
初めてのスーツを作ってくれたお父さん。たとえドレスに転向しても、願わくば、最後の一着をどうか作ってあげていてほしいなと、願った作品だった。
実は大人の恋愛映画
アテネの街角を観れてよかったな。
ギリシャ、ドイツ、ベルギー合作ですか。予告編から、コメディかなと思って直接。
アテネの中心地で親子でテーラーを営んでいる息子(おっさん)が主人公。客足が遠のき経営のピンチになり、一念発起して、テーラーを屋台で始める。これがうまくいかず、客の要望に合わせてウェディングドレスを作る事にする。
流石に女性物は作ったことが無いので、裁縫の得意な隣の奥さんに手伝ってもらう。これがソコソコ評判が良くて、最後は移動ウェディングドレス屋さんになる。
ただそれだけの映画だった。笑えるところもなく、ハラハラドキドキもなし。
主人公は、悲壮感や熱意など、メンタルを表に出さないので、話しが淡々と進みます。途中、不倫で問題発生かと思ったらスルー。お店が無くなった時も冷静に受け止める。
テーラーのテクニック、センス、経営、愛情、人柄、全てがモヤモヤしっぱなしで共感ゼロ。隣の娘だけが救いでした。
無声映画のような静けさ
コメディー映画みたいな前宣伝じゃなかった?
人生の逆転劇
仕立て屋のフェチズム。
全58件中、21~40件目を表示