テーラー 人生の仕立て屋のレビュー・感想・評価
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テーラーとは
紳士服の仕立て屋のことを一般的に指すんだろう
しかしながら、ジェンダーレスを視野に入れれば型を起こす事を生業にしていた本来的なテーラーとしては、何も紳士服に拘る事はない
言葉少なに主人公は淡々と過ごしているが、おそらくはそういう境地だったのだろう
台詞も映像も多くは語らないので観る側に想像させる映画ではあるけれど、現代に必要な映画だと思った
人生の仕立て屋という副題が素晴らしいです
セリフやが非常に少なくモノローグもないので、その分見るものが自ずと周りの音や風景、他の登場人物のセリフや表情などをよく観ざるを得ない
それが奏功していると思う
見る人それぞれが解釈や感想を持てる
主人公の淡々と、でもすることをやる決断力がじわっと沁みていく
ウエディングドレスで女性の人生を仕立て
移動式のウエディングドレスの仕立て屋として自分の人生も仕立てていく
見てから1週間経ちますが、印象深い映画です
無口な男の起死回生物語
ギリシャで老舗テーラーを営むニコスは経営難に陥る。危機を脱するために、移動式テーラーを始めることにした。営業している途中で、ウエディングドレスを仕立ててほしいと住民の女性に声を掛けられ、悩んだ末、引き受けることになる。しかし、女性の服を作ったことがないニコスはお向かいさんの母オルガと娘ヴィクトリアの力を借りて、経営を立て直してゆく。
とにかくオシャレな映画でした。ファッションデザイナーを目指している人におすすめです。ヴィクトリアとの交流は紙の船に書いた文章をロープウェイみたいに文通していたり、スーツでバイクにつなげた屋台で走るシーンはユニークでした。
しかもちょっとしたお色気シーンやオルガとの不倫、それに嫉妬するヴィクトリアといった、ロマンス・サクセス・ノスタルジーな要素が盛りだくさんの映画でした。
ラストは最初のテーラーの看板がちょっとした伏線になっています。
じんわり染み渡ってくる
特別な出来事が起きる訳でもなく、ハラハラドキドキするようなやり取りがあるのでも無い。
正直、ヒットする要素は無いし、国内配給元の松竹が何故版権を買い取ったのかも分からないくらい地味な作品。
ただ、刺さるモノは無いのだが、全体に流れる空気感が鑑賞後、時間が経つごとにジワジワと心地良さをもたらして来る不思議な作品。
人が幸せの象徴として感じるウェディングドレスが題材というのが良かったのかも。
また、アテネに限らず、こんなやり取りが今日も世界のどこかの街角でなされているのだろう、という日常感も良い。
手に職があることは、強いのだ!
日本の街から、職人がいなくなって久しい。
手に職がある技術者には、生きていく術が、未来があることを気づかせてくれる。
国家資格などじゃなくていいんだよ。
料理、野菜、魚の直売、裁縫、は車の運転よりも価値がある。
日本の未来のためにも
こういう生き方、暮らしができる社会がなくってはいけない。
街中に職人が、ささやかでいいから暮らせる社会は、活気があっていいなぁー。
などと、歳とると強く思う、思わせる映画です。
ニコス幸せになってくれ❗️
足踏み式ミシンの音で始まった
どうやら音に敏感な主人公らしい
ミシンもバイクも日本製で
楽しいドラマかと思ったら、大人チックだったのね
思ってたよりビター
トレーラーで見せたふわっとしたファンタジックなお話ではなく、思ってたよりビターな人生賛歌でした。
でもそれは決して悪く言ってるのでなく、ちゃんと世の中と向き合っているように感じました。
格式を重んじる仕立て屋が窮地を脱する為に、そして何より自身の世界を広げる物語。
それは実に緻密な作りで序盤は単調な毎日を描き、色調も抑え台詞も少なく寧ろ仕事の音(布をこする等の生活音)ばかりを印象付けます。
日本でもですが、昔からの職人は時代に取り残されてしまい、その技術や心が途絶えてしまっているのが寂しく思います。
まさにそんな現代社会を描いた作品。
しかし視点を変えることで彼はその窮地から抜け出して行くんですね。
徐々に絵面はギリシャらしい鮮やかな色合いになり、笑顔も多く映るようになっていきます。
気がつくと彼は携わる人々の人生を仕立て上げ、また自身も段々と花開く様に。
この手にしては珍しく、可愛らしい部分だけでなく男と女を生々しく挟んできたのも印象的。
でも彼が自身の世界を広げるには、結構大事なエピソードだと思ってます。
あと、お父さんとその友人がパリッとしててすっごいおしゃれなのが好き。老後はこう在りたいと観ていて思いました。
私自身スーツと無縁な仕事とあり、ちょっと憧れます。
とある人生を描いた、とても良い作品でした。
走れ‼ニコス‼
不況による店の差し押さえ、更に父まで倒れ大ピンチの仕立て屋さん、ニコス。一発逆転を目指し思いついたのは移動式仕立て屋。しかし、安い露店に囲まれながら高級スーツが売れるわけもなく・・・。
コメディかと思って観に行ったが、その要素はあまりなく、寡黙な男の優しさやプライドを超えて成長していくドラマ作品だった。
男性用スーツ一本でやってきた商売がうまくいかないところで、協力してくれたのはお隣さんの女性オルガと娘のヴィクトリアちゃん。
成る程、女手ひとつで娘を育てるオルガと協力していくうちに急接近…っていうストーリーかと思ったら…え!?
無邪気でありながら気の利いた性格で営業を手伝うヴィクトリアが愛らしい♪
始めはそうなることを期待していたのかな~と思ったけど。懐くニコスにも、そこを超えるとこまでは望んでいなかったのね。良い意味で軽く騙された感じがしてヒュンとしました。
ストーリーとしては、前半はとにかく静かで起伏も感じなかったが、何か応援したくなっちゃうニコスの姿に目が離せないし、苦労して作ったドレスが日の目を浴びる場面なんかにはポカポカした。
対する後半は中々の急展開。ヴィクトリアの立場の変貌や、屋台とタクシーのくだりはゾクゾク。まぁ、冷静に考えてどちらが悪いかと言えば…ねぇ。感情移入できちゃうのは相手の方かな(笑)そりゃあ気に食わないでしょう。
この通り、仕立て業を通したオルガとのストーリーも良かったが、個人的には本筋じゃないかもしれないけど、お父さんとの物語がとても良かった。
カラリスと息子の店…なんて名称だったり、友人に冷やかされても、息子の頑張りは最初から認めていたんですよね。店を何十年も続けたプライドもあるし、反対はしてたけど。
残した型紙…一瞬でしたが、非常に深いメッセージが込められていたんじゃないかと。
初めてのスーツを作ってくれたお父さん。たとえドレスに転向しても、願わくば、最後の一着をどうか作ってあげていてほしいなと、願った作品だった。
実は大人の恋愛映画
無口な紳士服の仕立て屋が、窮地に陥ってウエディングドレスのオーダーを受けだすと意外と評判を呼んでって話。
文学作品かよっ!っていうぐらい静かな作品。
そして始終不穏なメロディが掛かっている。
なぜかと言うと実は大人の恋愛映画なんだな。
アテネの街角を観れてよかったな。
ギリシャ、ドイツ、ベルギー合作ですか。予告編から、コメディかなと思って直接。
アテネの中心地で親子でテーラーを営んでいる息子(おっさん)が主人公。客足が遠のき経営のピンチになり、一念発起して、テーラーを屋台で始める。これがうまくいかず、客の要望に合わせてウェディングドレスを作る事にする。
流石に女性物は作ったことが無いので、裁縫の得意な隣の奥さんに手伝ってもらう。これがソコソコ評判が良くて、最後は移動ウェディングドレス屋さんになる。
ただそれだけの映画だった。笑えるところもなく、ハラハラドキドキもなし。
主人公は、悲壮感や熱意など、メンタルを表に出さないので、話しが淡々と進みます。途中、不倫で問題発生かと思ったらスルー。お店が無くなった時も冷静に受け止める。
テーラーのテクニック、センス、経営、愛情、人柄、全てがモヤモヤしっぱなしで共感ゼロ。隣の娘だけが救いでした。
無声映画のような静けさ
不要な会話を減らして、生活音と表情で進んでいる印象。
それが、観ている側の想像力をかきたて、より映像が鮮明になる感じ。
一方で、これは大人の恋の話でもあるんです。
なにも語らず、視線だけで感情の盛り上りを伝える。
なんとも、余韻の深い映画です。
コメディー映画みたいな前宣伝じゃなかった?
劇場での前宣伝でコメディーだと勘違いしての鑑賞。これは一体どのジャンルの映画なんだろう。サクセスストーリーの映画でもないし。で、あのエンディングはなんだ?宙ぶらりんで欲求不満が募るだけ。隣の奥さんのの話もほったらかしじゃないか。気の利いた小品を期待してた分、がっかり。救いは、映像が非常に綺麗だったことだなぁ。普段、カメラアングルなんか気にして映画を観たことがなかったけれど、のめりこめなかったので、接写やらが非常に綺麗だったのに気づいた。
人生の逆転劇
頑固に紳士服の仕立てに拘ってきた男が、店の閉鎖危機に一念発起してウェディングドレス製作に挑戦していく物語。
発達障害のオーラを漂わせ寡黙で神経質。見るからにうだつが上がらないニコスの奮闘ぶりが、実にコミカルで可愛らしい 笑
出会う人達がみんな良い人ばかりで、トントン拍子の逆転劇。観てる方も自然に頬が緩んできますよ 笑
終盤には、隣家の人妻とのちょっとしたロマンスとおチビちゃんの思わぬ裏切り(苦笑)なんて波乱もあるのでお楽しみに!
借金で苦しんでたはずなのに、次々と秘密兵器(カワサキのカッコ良いバイクやデカいバンまで!)を出してくるニコスって、実はお金持ちなんじゃないの?笑
仕立て屋のフェチズム。
親子二代に渡るテーラーを守るため、隣の奧さんに教わりながら屋台をひいてウェディングドレスを作る真面目な息子の話。
ぐちゃぐちゃにしようと思えば出来たけどグッとおさえて大人のコントロールの効いたほろ苦い話にまとめてあるが、真面目人間の主人公を描いたために、彼に感情移入出来なかった。彼のメンタルにもう少し踏み込んでも良かったかも、、、、ちょいと物足りなさも感じた。
キチンとした仕事と、生地への愛。
前半彼の実直さをケレン味たっぷりに描いているが、後半は伸びやかな主人公を包み込むような絵が多くなる。
話はぐいぐい展開してるのに、、、、、。
女性の監督で初長編、次回作が気になる。
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