拝啓、永田町のレビュー・感想・評価
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坂上秘書に拍手
原案・脚本・監督土田ひろかず氏は医師で元参議院議員、氏の経歴は
・2007年(平成19年) - 第21回参議院議員通常選挙に静岡県選挙区から無所属で立候補し、落選。
・2009年(平成21年) - 前の参議院議員(静岡県選挙区選出)辞職に伴う、第20回参議院議員補欠選挙に民主党公認で立候補し当選。選挙戦では医師の経験から、地域医療の再生や教育改革などについて訴えた。
・2010年(平成22年) - 第22回参議院議員通常選挙に民主党の比例区から出馬し、落選。選挙後に運動員3名が買収の疑いで逮捕、有権者51名が被買収の疑いで書類送検された。
とあり、まさに主人公峰山昇太郎と同じでした、劇中で出てくる書籍「病院につける薬」も土田さんの書いた本。まさにご自身の体験を元にした社会派コメディ・ドラマ。
官僚が書いた脚本を棒読みするダイコン役者が今の政治家と言っていたが当たらずとも遠からずの印象、高齢者の高騰する医療費問題など言っていたがどうすればよいのか踏み込んだ具体策まで言っていなかったので峰山議員の能力は今一不鮮明、仮に優れた政策としても数が物言う国会では新人議員一人では無力も同然だから改革は困難でしょうね、残念。映画としては峰山議員より秘書の坂上さんの活躍、縁の下の苦労の方が胸に響きました、娘さんもご立派でしたね。
終わりのクレジットでエキストラの氏名が59名と多いのにびっくり、どうやらNPO御殿場フィルムネットワークの協力らしいが、土田監督は御殿場市在住だし地元の支援も凄かったのですね。
日本に未来はない
日本の選挙制度のおかしさがよく解る作品である。勿論どの国の選挙制度も民主主義の観点からすれば多かれ少なかれ不備があると思うが、本作品で紹介された参院選の立候補者の大変さは、国民を立候補から遠ざけているとしか思えない。
供託金が300万円や600万円と高いのが民主主義の理に適わない。貧乏人は選挙に出るなと言っているようなものだ。これでは政治はいつまでも金持ちのものであり続ける。
会社法が変わって資本金1000万円という条件がなくなり、資本金1円からでも会社を設立できるようになったのは、多くの人にチャンスを与えて日本経済の活性化を図るためであった。政治も同様に立候補のハードルを下げて議会を活性化すべきではないかと思う。少なくとも10万円程度に下げるべきだ。
そんなことをすると多数の立候補者が乱立して事務手続きが膨大になるという議論は言い訳に過ぎない。日本の官僚は全世帯にマスクを2枚ずつ配るという馬鹿なこともやってのけたくらいだ。立候補者が多くなったら事務手続きを簡略化するか、最近の霞ヶ関が得意としているネットにすればいい。
そうしないのは、永田町の住人たちが他所者の参入を拒んでいるからである。貧乏人が当選してTシャツとGパンで国会に来られたら困るのだ。自分たちの築いてきた品位が実は無意味だとバラされるのも嫌だが、一番嫌なのは貧乏人が当選したら、その分自分たちがはじき出されることである。これは与党も野党も同じだ。
日本の政治家の最大の目標は政治家であり続けることである。政策も公約も実はどうでもいいのだ。国会はパフォーマンスの場であり、質問と答弁は国民に向けた巧言令色である。この点についても与党も野党も同じだ。
国会が下手な田舎芝居であることは多くの国民の知るところだが、国会を変えようとするのは至難の業だ。選挙制度を変えて立候補のハードルを下げるという公約を掲げる候補者を、一気に大量に当選させる以外に策はない。しかし日本の選挙民にそんな大胆な投票行動は望めないし、そもそもそういう立候補者が出現する筈もない。さらに言えば、当選したら公約も何も関係なくなる可能性が非常に高い。政治家予備軍たる官僚たちが、永田町を庶民に明け渡すことを拒むのだ。かくて金持ちのための政治が脈々と続いていく。日本に未来はない。
バカ殿様
参院選に出馬して、選挙と議員の仕組みとウラに踊らされる愚直なハレンチ外科医と秘書の話。
静岡県のとある病院の院長が、「選挙」というドキュメンタリー映画に触発されて2週間後の参院選に出馬すると言って巻き起こっていく。
そんなヤツいるかよっ!というレベルの無知さと勉強不足で挑む初の選挙戦に始まり、その後の補選にしても、その先の展開にしても、ちょっとおバカさが過ぎる院長と、振り回される秘書。
しかも掲げる医療改革への思いも、それ程強く感じないし。まあ、そこを強調すると別の話しになっちゃうし、この無垢さは嫌いじゃないけれどね。
ドロドロのした闇の世界の入口的な位置付けでみたら悪くないけど、もっと笑いに振った方が良かったんじゃないかと感じた。
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