劇場公開日 2022年2月11日

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「実話ものだけど、評価は極端に分かれると思います。」ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0実話ものだけど、評価は極端に分かれると思います。

2022年2月11日
PCから投稿

今年36本目(合計309本目/今月(2022年2月度)8本目)。
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 ★この前に、「地球外少年少女(後編)」もみましたが、この映画にレビューの需要はないので飛ばします。なお、ネットフリックス契約者は、6話を全て見ることができ(映画館では、前半3話、後半3話で別れる扱い)【4話が全体に繋がるネタバレ】なので、下手にネットフリックスを見て映画館に行くと、事実上意味がなくなる点に注意です。
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 さて、こちらの映画。
女性のジャズ音楽の実在する人物で、一方で(当時の)黒人問題の向上や公民権運動等にもかかわった人物のお話。実話ベースですので、あることないこと書けないという状況です。

 主にストーリー全体を通して、彼女が歌いたかった「奇妙な果実」((当時の)南部での黒人差別を告発する趣旨の歌詞」を歌うか、それを良しとしない(黒人の向上を良しとしない)白人との戦いという軸で描かれます。また、ストーリーの関係上、あることないこと書けませんし、ストーリーも基本的に生まれから没するまで一本軸で進みますので(時間ずらしは原則なし)、この混乱要素もないです。また、当時のフィルムが残っていたようで、一部、当時のモノクロ映像が入るなど、原作に忠実だなという印象です。

 …と、ここまで書けば、いわゆる「人権を扱う映画」なのだから評価4.0なのはなぜ?という話になるのですが、彼女の人生を扱った映画だからです。実際、映画内で「奇妙な果実」も含めて、(ジャズ)音楽という「音楽の話」は4割ほどしか出てこず、残りの6割は何かというと「大人の営み」と「薬物問題」です(彼女は生涯、自身が染めた薬物問題に苦しんだ)。
このため、この映画はレーティングこそR15扱いですが、「ギリギリモザイクがかからない」扱いのR15であり(ギリギリ映っていないというだけに過ぎない)、この「大人の営みのシーン」も3回か4回は登場します。
後者は、日本では(当然、非合法ですが)入手可能と言えるものと言えないものとが混ざっており、中には「容易にアクセスできる薬物」まで扱っているので、うーん、これどうだろう…という気がします。
この映画の予告編やここの特集などからでは、そこまで読み取れないからです。特に映画館で数週間前からやっている予告編では、「黒人の人権運動にかかわりつつ、ジャズにも携わった」というようにしか読めないところ、始まるとその話題は4割ほどで、残りの大半はこうした話題なので…。かつ、R15だと、R18と違って「あからさまなシーン」まで出ませんので、多少の差(14歳、13歳)だと見に行くことも想定できますが(実話ものである以上、家族で見に行くことは想定可能)、「大人の営みのシーン」も結構きついので(モザイクこそかからないものの、ただ単に「ギリギリ映していない」に過ぎない)、家族で見に行くと凍り付くんじゃないか…というところです。

 結局のところ、いわゆる「予告編からわかるはずもない展開に突然飛ぶ」というのをどこまで許せるかというのは人それぞれですが、先週の某怪獣映画が「それを裏切った」ために警戒度がアップしている中でこの映画ですと、やはり評価点は下がるのではないかと思う一方、「とある某怪獣映画のチョンボ」をこの映画に押し付けるのも無理難題な話であって、どこまで考慮するかはかなり微妙です。

 評価に関しては下記のようにしました。
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 (減点0.8) 要は上記に尽きるのであり、「某怪獣映画の、予告編からわかりようもない無茶苦茶な展開に飛ぶ」ことに対して、現在警戒感が強くなっているこの数週間、「女性のジャズシンガーで、人権思想等を扱った映画なのだろうから、家族で見に行こうかな」と親御さんが考えると凍り付く状況になっており(特に大人の営みのシーン)、それも予告編からは一切扱わないので(そして、誰もが映倫のサイトなんて見ない)、ここはどうなのかなぁ…とは思います。

 ただ、「予告編に書いていないことを突然言い始めて苦情が殺到した」某怪獣映画とこの映画は明らかに無関係で、関係のないことで評価点を下げるのも変な話である一方、「大人の営み」のシーンに関しては、何らか配慮が必要だったのでは…とも思え(実際、あそこまで描写しなくても、日本でいえばG指定かPG12指定でも足りる。「大人の営み」はおまけにすぎないため)、そういう点がちょっと惜しいです。

 といっても、アメリカ国内で人種差別等が今でも残っていることは周知の事実であり(現在のアメリカで、表立ってデモ活動等がされないのは、コロナ問題によるところが大きい)、そこを扱ったという点においては、極端に「予告編から読みようのないことを突如6割もし始める」という点のみで1.5も2点も引くのかという点はありますので、そこは考慮しています。
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yukispica