「All of me」ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
All of me
第二次世界大戦からビリー・ホリデイが亡くなる1959年までのニューヨークが舞台になる。一言で言えば麻薬ダメ、人種差別酷いということになるんだろうが、当時のジャズミュージシャンのほとんどがジャンキーだった(ヘロインやることが'hip'カッコよいことだったらしい)ということを考えると、また違った見方も出きる。
ジャンキーだらけの当時のジャズシーンで最も成功を納めていた(うちの一人)のビリー・ホリデイがスケープゴートにされたんだろうね。薬物やったって別に世間(超保守的な当時の白人社会からは徹底的に嫌悪されただろうけど)的には叩かれたりしないし、どうということはなかったんじゃないかな、多分。すぐ復活だし。50年代の保守的な白人社会に対して戦う英雄と思う人も多かったかもしれない。
生い立ちが悲惨すぎて、だから、薬物だし、だから、ああいう歌を歌えた(薬物じゃなくて、生い立ち)という一面もあったのかもしれない、"奇妙な果実"もいいけど"All of me"は良かった。官能的でぞくぞくした。
60年代に入ると音楽はジャズからロックに。社会も動き出す。黒人公民権運動、キング牧師、マルコムX、ムハメド・アリ、サム・クック…。
jazzが好きな人、jazzに興味のある人、これからjazzを聴いてみようと思っている人、是非観てください。
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