劇場公開日 2022年2月11日

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「題材の割にささくれが多くて入ってこず、濡れ場の多さも気になる」ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5題材の割にささくれが多くて入ってこず、濡れ場の多さも気になる

2022年2月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

単純

知的

難しい

何だろう…知らない人だからか、どこにピントを合わせて観ればいいか分からず…。複雑な生い立ちで麻薬をする彼女と付きまとったアメリカ政府。角度が悪くてどれも気持ちを取りにくかった。

『禁断の果実』で黒人差別を訴えたビリー・ホリデイ。私は正直、存じ上げなかった。その点をご了承の上、レビューを進める。そして、彼女を取り締まるFBIの攻防を描いた本作。確かに彼女は才能があって、メッセージを乗せて発信する姿はカッコいい。だが、追われる彼女には薬という後ろめたい部分があり、その堕落をつらつらと描いている。よって、今どのような展開がなのか取りにくい。史実らしい固さを模写したような感じがする。そもそも原作は、『麻薬と人間』というタイトルで、黒人差別と陰謀をくっつけた感じは否めない。

また、濡れ場の数も引っかかる。ビリー・ホリデイの生い立ちから考える余地はあるものの、無駄に多かった気がする。予告で流れる、刑務所での水責めなどは意外とサラッとしているし、全体的に何処を押したかったのか分からなかった。私には、二兎追う者は一兎も得ずに写った。

主演はアンドラ・デイさん。キリッとした強さと横暴で爛漫な態度だが、着飾れば美しい歌声で魅了する。彼女に同情もしにくいのは仕方ないとしても、彼女の周りの関係に濃淡が無かったのが残念。どうして?となる部分も多く、予告ほど綺麗に展開されているとは言い難かった。

ジャズって特有のリズムの余白があって、こうして聴くとカッコいい。もっとこう、ドラマや音楽を混ぜながら展開して欲しかったところ。思っていたモノとは離れたのが大きかったかな…と思った。

たいよーさん。