劇場公開日 2021年11月26日

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「【”戻りたい夜は幾らでもある・・。”売れない女劇作家の憂鬱と煩悶。妹への慚愧の想いにより、彼女の揺れ動く心と、決断した事を描いた作品。】」幕が下りたら会いましょう NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【”戻りたい夜は幾らでもある・・。”売れない女劇作家の憂鬱と煩悶。妹への慚愧の想いにより、彼女の揺れ動く心と、決断した事を描いた作品。】

2021年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ー 劇作家って、売れないとキツイんだろうなあ・・。芸人さんも同じか・・。俳優さんも・・。
  所謂、フリーランサーが抱える、自らの才能の無さに煩悶し、他人(今作では妹)の才能に嫉妬する演劇作家、麻奈美を松井玲奈さんが、笑顔を殆ど封印して演じている姿が印象的な作品。-

・劇作家の才能のある妹、尚(筧美和子)へのぶっきら棒な、麻奈美の対応。
ー ”葡萄畑のアンナ・カレーニナ”と言う舞台劇で、一度だけ獲得したトロフィーを尚が、美容室の実家を出る際に、冗談半分で持って行こうとするシーン。
  何気ないシーンだが、後半このトロフィーの存在が意味を持って来る。-

・尚の死の切っ掛けとなった事件や、それに絡んで麻奈美に”もう一度演劇をやらないか”と言い寄って来る男の描き方は粗いし、その後の展開もないのでやや、中だるみ感を感じる。

・今作に登場する俳優さんでは、珍しく真面目な麻奈美のおかあさん役のしゅはまはるみさんや、「ミセス・ノイズィ」で強烈なインパクトを見る側に与えた美容室の常連おばさんを演じた大高洋子が印象的であった。

<作品全体構成は、面白かったのであるが、随所にの”そのシーンは必要なのかな・・”と思ってしまったシーンや脚本の瑕疵が、やや中だるみ感を醸し出してしまった感がある作品。
 松井玲奈さんの抑制した演技も良かったのだが、全体的に映画の”華”が感じられなかったかな。
 但し、エンドロール後の、松居玲奈さん演じる麻奈美が憂鬱そうな表情で、町の普通の中華屋で拉麺を涙を流しながら食べる横顔のシーンは、印象的であった作品。>

NOBU