エースの中のエースのレビュー・感想・評価
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40年待った甲斐が有りました。
学生時代、「ぴあ」で「フランスでヒット中」という記事を読んでから40年。日本公開を待っていました。肩の凝らない映画でした🙆。音楽もグッドです。
戦争風刺のコメディ
第一次世界大戦でフランス空軍のパイロットだったジョーはその後ボクシングのコーチとなりフランスチームを率いて1936年、ナチス政権下のドイツでのベルリンオリンピックに参加する事になった。ドイツに向かう列車の中でユダヤ人の少年をベルリンの祖父の元へ送り届けるよう依頼されたジョーは、最初は渋々だったが、途中から正義感にかられ、オリンピックそっちのけでユダヤ人たちをドイツ国外へ逃がすことに協力し、オーストリアへ脱出しようとアルプスの国境を目指すが、方角を示す看板が反転しててドイツのヒトラーの別荘にたどり着いてしまった。さてどうなる、という話。
第一次世界大戦で戦ったドイツ空軍のパイロットが良い仕事しててほっこりした。
ヒトラーと姉アンゲラの2役を演じたギュンター・マイズナーの仕草と顔芸が面白かった。
まだ第二次世界大戦は始まってないけど、ユダヤ人への迫害は始まっていたようで、ジョーの正義感とコメディアンなみの面白さは格別だった。
劇場で観れたことに感謝です。
ナチスもヒトラーも笑い飛ばすベルモンド、無敵。
ベルモンド祭、ラストは本作です。
いやー、やっぱりこのベルモンドが好きだなー。<相続人>を観て終わりにしようかな?って思ってましたが、やはり「らしい作品」でシメたくて。
はい、バッチリでした!!!良かった良かった(笑)
このセンスと勇気(いるよなぁ、やっぱ)は脱帽です。フランス人のエスプリってやつでしょうか?まぁ、ベルリン五輪当時のナチス、ヒトラーを単なる盛り上げ、笑いのピースとして使っちゃうなんて、たまげたもんです。特にヒトラーのお姉ちゃん・・・いいのでしょうか?(笑)
相変わらずのスピーディーかつテンポの良さで、劇中のユダヤ人一族のようにベルモンドに連れて行かれるように引き込まれる本作、飽きません。なんでフランスのボクシング五輪チームのコーチがヒトラーに会えるのか?荒唐無稽のはずなのに、なんでしょう観れちゃうんだよなぁ。「アリ」だよなぁって思っちゃうんだよなぁ。ユーモアもふんだんに盛り込まれており、、、また書きますが、ヒトラー姉が特筆、、、最高の娯楽作になってます。もちろん、アクションもバッチリです。僕としてはドイツ軍のバイクとのチェイス場面が好きですね。あのスピード感いいです。(カリオストロの城のオープニングっぽいんですよね。。。あ、逆か)さらにエアー・アクションまで。今回も満腹です。
どうして色々許せちゃうのでしょう、ベルモンド。あの渋さからくる説得力?はてさて?なんやかんや有りますが、「面白い!」が最強な訳です。観て良かったなぁ。
ベルモンドの中のベルモンド
これぞ、ベルモンドの代表作!まさにタイトル通り、『エースの中のエース』を体現するベルモンドが最高です。若い時も魅力的だけど、ちょっと渋みが加わりながらも相変わらずのお茶目振りがたまりません。冒頭の複葉機のドッグファイトや敵将校との友情も男らしくていい感じだけど、大切なオリンピックの決勝戦をほっぽってユダヤ人一家を助けに落下傘で降りて来るのは、まさしくヒーロー。一方で、ナチへの容赦ないおちょくり方も痛快で、ヒットラーの姉のキャラのインパクトは強烈で夢に出てきそう。最初から最後まで隅から隅まで、ベルモン道を漫喫できます。こんなに楽しい映画が日本未公開だったのに驚くけど、配給会社に感謝ですね。
何とタイムリーな!
とっても良かった!2021年の今、日本で見るのになんてタイムリーな映画なんだろうと思いました。美しいもの、芸術とか文化に国が介入するようになったらおしまいだ、とドイツ人のギュンター(フランク・ホフマン)は言った。そして1936年のベルリン・オリンピック。その4年前のロス・オリンピックも含めて「いだてん」で得た知識が役にたちました。
予想外でとても嬉しかったのは、ベルモンドが優秀な空軍パイロットでありボクサーという設定だったことです。とてもかっこよかった。シャドーも実際(リング外だが)でも右ストレート、フック、アッパーと、なんでこんなに運動神経いいんだろうと感動しました。ベルモンドにミット打ちさせてもらったら死んでもいい~💕 代表コーチとしてベルリン・オリンピックの場に一番居たかったのに、シモンとそのファミリーの為に奔走するジョー=ベルモンドは本当に素敵でした。優先順位をパッと決められるベルモンドは素晴らしく、子どもと一緒に居るベルモンドは優しくて面白くて頼りになる大人でした。
音楽やれ!と言われたシモンのファミリーが(どんな状況に居るのかわかっていなかったとはいえ)ユダヤの音楽を演奏し始めた時はやめてー!と心臓が止まりそうになった。でもそこはコメディ進行でほっとしました。細かい所で笑える箇所は沢山ありました。とても印象的だったのは、シモン・ファミリーが(ユダヤ人だが)フランス人だよと見せるために一人がフランスパンを1本抱えていたのを、ジョー=ベルモンドが、アメリカ人が勝手に作ったイメージだから「やめろ」と言った場面です。フランス人はフランスパン、ドイツ人はジャガイモ食い、イタリア人はスパゲティ食いとヨーロッパの中でもステレオタイプ偏見が山ほどあることが映画でわかるのはとても面白いです。
アドルフと姉のアンゲラを一人二役で演じるギュンター・マイスナーは上手な役者さん。ナチをコメディにできるフランス凄い!フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語できる役者さんが多いヨーロッパ凄い!この映画はタランティーノの「イングロリアス・バスターズ」のきょうだいみたい。
重要ポイントはジョー(フランス)とギュンター(ドイツ)の間にある敬意と信頼です。国は敵対しているが二人には全く影響を与えない。第一次大戦中のパイロット同士の時も、ベルリンでの再会とその後の協力関係も相手への友情と命の大切さへの思いが生き生きと輝いていました。加えてシモンのおじいちゃんは第一次大戦中はアドルフの上官だった!そんなところにヨーロッパの人達の線引きできない、したくない気持ちが理想ではあってもさりげなく表現されていたと思う。
音楽も素晴らしかった。前向きに明るく強くなれる音楽です。「ムッシュとマドモアゼル」と同じ作曲家(ウラディミール・コスマ)ということに納得!記憶に残り心に訴えかけるメロディーです🎶
(日本人もちょっと映ってるし)笑えて何が大切かわかるから、今年の夏はこの映画を世界中の人がテレビで見られるようにするといいと思う!
オリンピックのフランス・ボクシングチームの結果をベルモンドはアドルフの別荘内の彼の書斎にあるラジオで聞く、アンゲラの手引きで。そして金メダル2の結果に大喜び!調べたら1936年ベルリン・オリンピックで確かにフランスはミドル級とライトヘビー級でそれぞれ金メダルを獲得しています。事実とフィクションの混ざり合いって楽しいー!
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