「何とタイムリーな!」エースの中のエース talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
何とタイムリーな!
とっても良かった!2021年の今、日本で見るのになんてタイムリーな映画なんだろうと思いました。美しいもの、芸術とか文化に国が介入するようになったらおしまいだ、とドイツ人のギュンター(フランク・ホフマン)は言った。そして1936年のベルリン・オリンピック。その4年前のロス・オリンピックも含めて「いだてん」で得た知識が役にたちました。
予想外でとても嬉しかったのは、ベルモンドが優秀な空軍パイロットでありボクサーという設定だったことです。とてもかっこよかった。シャドーも実際(リング外だが)でも右ストレート、フック、アッパーと、なんでこんなに運動神経いいんだろうと感動しました。ベルモンドにミット打ちさせてもらったら死んでもいい~💕 代表コーチとしてベルリン・オリンピックの場に一番居たかったのに、シモンとそのファミリーの為に奔走するジョー=ベルモンドは本当に素敵でした。優先順位をパッと決められるベルモンドは素晴らしく、子どもと一緒に居るベルモンドは優しくて面白くて頼りになる大人でした。
音楽やれ!と言われたシモンのファミリーが(どんな状況に居るのかわかっていなかったとはいえ)ユダヤの音楽を演奏し始めた時はやめてー!と心臓が止まりそうになった。でもそこはコメディ進行でほっとしました。細かい所で笑える箇所は沢山ありました。とても印象的だったのは、シモン・ファミリーが(ユダヤ人だが)フランス人だよと見せるために一人がフランスパンを1本抱えていたのを、ジョー=ベルモンドが、アメリカ人が勝手に作ったイメージだから「やめろ」と言った場面です。フランス人はフランスパン、ドイツ人はジャガイモ食い、イタリア人はスパゲティ食いとヨーロッパの中でもステレオタイプ偏見が山ほどあることが映画でわかるのはとても面白いです。
アドルフと姉のアンゲラを一人二役で演じるギュンター・マイスナーは上手な役者さん。ナチをコメディにできるフランス凄い!フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語できる役者さんが多いヨーロッパ凄い!この映画はタランティーノの「イングロリアス・バスターズ」のきょうだいみたい。
重要ポイントはジョー(フランス)とギュンター(ドイツ)の間にある敬意と信頼です。国は敵対しているが二人には全く影響を与えない。第一次大戦中のパイロット同士の時も、ベルリンでの再会とその後の協力関係も相手への友情と命の大切さへの思いが生き生きと輝いていました。加えてシモンのおじいちゃんは第一次大戦中はアドルフの上官だった!そんなところにヨーロッパの人達の線引きできない、したくない気持ちが理想ではあってもさりげなく表現されていたと思う。
音楽も素晴らしかった。前向きに明るく強くなれる音楽です。「ムッシュとマドモアゼル」と同じ作曲家(ウラディミール・コスマ)ということに納得!記憶に残り心に訴えかけるメロディーです🎶
(日本人もちょっと映ってるし)笑えて何が大切かわかるから、今年の夏はこの映画を世界中の人がテレビで見られるようにするといいと思う!
オリンピックのフランス・ボクシングチームの結果をベルモンドはアドルフの別荘内の彼の書斎にあるラジオで聞く、アンゲラの手引きで。そして金メダル2の結果に大喜び!調べたら1936年ベルリン・オリンピックで確かにフランスはミドル級とライトヘビー級でそれぞれ金メダルを獲得しています。事実とフィクションの混ざり合いって楽しいー!
素晴らしいコメント!感謝です。自分も複葉飛行機でのバトルや
ドイツのお城の上を飛んで行くシーン、そこからの逆さまダイビング!アルプスの山々、牛たちの花飾りに音楽とダンス。小熊を車に乗せてのカーチェイスバトル。
本物の熊たちなんだけど、中に人間入ってますか?と思うくらいの最高の演技に超驚愕、爆笑。
ヒトラーの愛嬌ぶりに躊躇われるのですが、それ以上に見所だらけの名作でした。感謝!
talismanさん、コメントありがとうございます。大好きな映画に当たるといっぱいコメント書きたくなるし、その人の熱量が感じられていいと思いますよ。talismanさんのレビューは読んでて楽しいですね。
ベルモンドの上映は、残念!千葉には来ないですねー😭
キンザザ(点を打つのが面倒で省略しました)も来ません…。
戦メリをどうにか時間を作って見るのが精一杯です❗️
ティファニーで朝食をにコメントありがとうございました。
確かにヒロインが…。それでも、ヘプバーンじゃなかったらもっとドン引きかも、とコメント書かれて、そりゃごもっともと納得してしまいました。