「客の見る力を信じて、制作側は自分と戦ってほしい」20歳のソウル コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
客の見る力を信じて、制作側は自分と戦ってほしい
「1日1日を大事に生きる」ことと「他人のせいにせず、まず自分と向き合い、自分と戦う」ことの大切さと難しさは伝わってきて、恋愛に終始しなかった点ではいい映画だったと思います。
実話ベースということで、盛った部分は少なめなのが功を奏した印象。
家族や友人と過ごした時間なども、恋人との時間と比べても均等で、高校生~20歳までの人生を描くという点では、よいバランスだったかと。
そうしないと、最後に同級生や同時期の部員たちが集まることにつながらないですし。
人によってはそれが平板に感じるかもしれませんが。
ただ、大義役の神尾楓珠くんの演技は悪くないんですが、少々「重要なテーマを全部セリフでしゃべる」脚本・演出が露骨だったのが、くどくて鼻につきました。
料理を作りながら見るような朝ドラじゃないんだから、こういういかにも「客は頭が悪い」前提で、わかりやすさのみを追求し「客の見る力を信じない」撮り方ってどうなのか?
こういう姿勢が、邦画の癌ではないかと思ってしまいます。
どうしたら面白い映画になるか、プロデューサーや監督は、「まず自分と向き合い、自分と戦う」ようにしてほしいです。
また、私が多くの難病ものをあまり見ない理由の一つである、「死の寸前の肌の艶・喉や手の甲の皮膚の張りが健康すぎる」「衰弱しているのに喋りまくる」現象が本作でも起きていて、もうちょっとメイクも演出も何とかならなかったのかと。
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