「デイヴィッド・バーンとスパイク・リーの強い意志、そして信じられないようなタイミングの妙によって実現した一作。」アメリカン・ユートピア yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
デイヴィッド・バーンとスパイク・リーの強い意志、そして信じられないようなタイミングの妙によって実現した一作。
米国では劇場公開が見送りになったとのことで、劇場のスクリーンと音響で本作を味わえる幸運を感謝したいところ!トーキング・ヘッズやデイヴィッド・バーンもほとんど知らないまま鑑賞したんだけど、そんなことは何の妨げにならず、圧倒的なパフォーマンスと演奏に、あっという間に時間が経ってしまいました。
本作の基になったブロードウェイのショーは、20019年開幕とのこと。撮影はまさにコロナ禍の直前ということになり、この奇跡的なタイミングにも驚かされます。マスクもせずに歌い、踊り、熱狂し、拍手を送る…。そんなかつては当たり前と思っていた光景がこんなにもかけがえなく、そして脆いものだったとは…。演者も観客も幸せそうな顔をしているのを見ると思わず落涙しそうになります。
もちろんバーンもスパイク・リーも、単に素晴らしいショーを見せる為だけに本作を作ったのではなく、強烈な米国の社会的人種的問題への批判のメッセージも躊躇なく投げかけています。
演者全員がワイヤレスで演奏するという、極めて難易度の高い技術を高い精度で行っているにもかかわらず、ときどきとぼけたような表情と仕草で余裕を見せるバーンなど、正直見所が多すぎて一回の鑑賞では消化しきれない作品でした!
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