「【ルート66】」マークスマン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【ルート66】
途中、アメリカの中西部とシカゴを結んでいたルート66の看板が出てきたので、ジムとミゲルは、オクラホマを経由して、シカゴに至る既に廃線となったルートと同じような道を辿ったんだろうなと思わせる。
アメリカの人流や物流の基幹道路だったが、高速道路に取って代わられたルート66。
ナット・キング・コールの歌やドラマにもなったルート66は、古き良きアメリカの代表だ。
しかし、経営の難しくなった中西部の牧場、かつては移民に寛容だったが、今やアメリカは移民を敵対視するようになってしまった。
古き良きアメリカは、どこに行ったのか。
この作品は、時代が移り変わり、年寄りや移民になかなか寄り添えないアメリカの現状を、かつて西部劇では頻繁に描かれていた追跡劇を現代に置き換えて見せようとしたのではないのか。
(以下ネタバレ)
そして、ミゲルを送り届け、ジムがエンディングのバスの中で、静かに目を閉じ逝く場面は、本来のアメリカ人の美学とするところではないのか。
ありきたりなストーリーの中に、何かメッセージを残そうとした感じがする作品だった。
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